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豪雨被災地支援「あの時の恩返しを」 神戸など被災経験職員も熊本入り

熊本県八代市の避難所で、被災した女性にお弁当を手渡す神戸市の職員(右)=13日
熊本県八代市の避難所で、被災した女性にお弁当を手渡す神戸市の職員(右)=13日

 豪雨で甚大な被害を受けた熊本県の被災地域を支援しようと、各地の自治体から派遣された職員らが行政手続きへの助言や避難所の運営、物資集めなどの援助に奮闘している。中には、過去に地震などの災害に見舞われた経験を持つ人も。「あの時の恩返しをしたい」。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、ボランティアの受け入れを熊本県内限定にする動きが出ている中、派遣された職員らは固い決意を胸に再建を支えている。

 13日夕、避難所となった熊本県八代市の総合体育館。神戸市の職員6人が避難者らに弁当を手渡していた。ゴム手袋にマスク姿でこまめに机を消毒するなど、新型コロナウイルス対策も徹底。体育館の通路では別の男性職員が、ベンチに腰掛ける高齢女性の前にかがみ「大丈夫?」と優しく声を掛けていた。

 神戸市は10日から八代市に職員を派遣。避難所運営に当たるため、31日まで約1週間交代で10人ずつを送り込んでいる。第1陣の指揮役を務めた神戸市の谷敏行さん(40)は中学生だった平成7年に阪神大震災に遭い、自宅は損壊。全国からの支援を受けた記憶が明確に残る。「あの日のことを忘れないためにも、神戸は日本のどこかが大変な時はいつでも駆け付ける」と語った。

 熊本県相良村には28年の熊本地震で、住宅の過半数となる1300戸以上が全半壊した熊本県西原村職員が応援に入った。西原村の職員は避難所に入浴施設を設置したほか、被災した自治体の職員と面談。罹災証明書の発行準備など、初期対応の助言をした。

 西原村には地震発生後ほどなく、宮城県東松島市など23年の東日本大震災で被災した東北の複数の自治体職員が応援に入った。今回被災した相良村も昨年4月から1年間、職員を派遣した経緯がある。西原村の吉井誠復興建設課長(50)は「恩返しをしたい」と語った。

 コロナ下で発生した今回の豪雨被害。被災自治体の間では感染拡大防止のため、ボランティアの参加を県内在住者に限るケースが出ている。そんな中「せめて物資だけでも送りたい」という草の根の動きもある。

 福島県いわき市のトラック運転手、室谷和範さん(53)は4日の豪雨発生当日に会員制交流サイト(SNS)で物資を募り、タオルや除菌ティッシュなど段ボール3箱分を集め、知人を通じて被災地に送った。

 室谷さん自身も東日本大震災で自宅周辺が津波に襲われ、町が壊滅的な被害を受けた。その際、各地からの善意が「心に染みた」。今回、被災地を支える側に回り「今度は自分が力になりたい」と語った。

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