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【埼玉経済ウオッチ】コロナショック 新生活様式「マイナス影響」4割

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で減収に陥る企業が急増している。

 東京商工リサーチ埼玉支店が5月28日~6月9日にインターネットで実施した調査(有効回答485社)によると、5月の売上高が前年同月に比べて減ったと答えた企業は84・1%に達した。2月は58・0%だったが、3月(63・5%)、4月(75・2%)と増え続けている。

 企業活動に「すでに影響が出ている」と回答した企業は77・9%で、2月の23・5%から50ポイント以上高くなった。

 影響が出ていると回答した378社にその内容を尋ねたところ、最も多かったのは「売り上げが減少」の293社(77・5%)で、「商談の自粛」の208社(55・0%)、「出張の自粛」の196社(51・8%)が続いた。

 同支店の調べでは、感染拡大に関連する経営破綻は県内では6社発生している。全国では309社に上っており、連鎖倒産防止の取り組みも必要になりそうだ。

 一方で、今回の調査では改善の兆しも見え始めた。

 今年12月までに単月の売上高が半減以下となる可能性が「ある」と回答した企業は47・3%で、4月調査の56・3%から9・0ポイント低くなった。また、現在の状況が続いた場合、何カ月後の決済(仕入れや給与などの支払い)を心配しているかを尋ねたところ、「3カ月以内」と答えたのは31・6%で、これも4月調査時の45・8%から改善した。

 国は「新しい生活様式」で感染拡大防止を呼び掛けるが、長年続いた商慣習や勤務スタイルを変えることは難しい。特に「新しい生活様式」が業績に「マイナスの影響」を及ぼすと考える企業は4割を超え、リモートワークの恒久化やソーシャルディスタンス(社会的距離)の確保と、生産性や売り上げ維持の両立の難しさを物語っている。

 特別貸し付けなどの政府の金融支援策の利用率は、中小企業では28・7%に達し、「今後利用する可能性がある」を含めると62・8%に上った。

 昨年10月の消費税率引き上げや暖冬、百貨店不振などで苦しんでいるアパレル関連業種をはじめ、飲食店、宿泊業の利用率が高いことも判明した。

 令和2年度第2次補正予算には、影響の長期化に備え、借り入れの一部を資本として算入できる劣後ローンによる資本性資金の供与が盛り込まれた。政府系金融機関による旗振りが民間金融機関にどこまで広がるか注目される。

 ただ、破綻や事業再生の先送りにつながらないよう、これまで以上に本質を見抜く目利き力と伴走型支援の真価が問われており、とりわけスピード感のある施策の実行が望まれる。 (土持功・東京商工リサーチ埼玉支店長)

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