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「ひとり10万円」苦情殺到 誤解招いた選挙公約 小田原新市長謝罪

 今年5月に行われた小田原市長選で現職を破って初当選を果たした守屋輝彦市長に、市民から「公約違反ではないか」との苦情が殺到している。守屋市長は選挙活動中、選挙公報に「ひとり10万円」と記載したことから、新型コロナウイルス対策として、市が独自に給付金を10万円支給すると解釈した市民が多くいたからだ。だが実際は、市民全員に独自の給付を行うことにはなっておらず、守屋市長は「誤解を与えてしまった」と謝罪。騒動は収まらず、市民の守屋市政への不信感はぬぐいがたい状態となっている。(浅上あゆみ)

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 守屋市長の選挙公報の中にある「市民を『守る』コロナ対策」という項目には、「ひとり10万円」という記述があった。市民の中には、国からの特別定額給付金とは別に、10万円が給付されるかのように受け取った市民も少なくなく、「だますつもりでわざと記載したのではないか」という厳しい声も上がった。

 ◆「だましていない」

 市広報広聴課によると、市には179件(16日現在)の問い合わせの電話があり、8割が苦情の内容だという。件数は多い時で一日に30件以上にのぼり、このうち市外からはおよそ2割で、残りの8割が市内から。「公約違反だ」「市民に直接謝罪すべきではないのか」「どうしてこうなったのか経緯を説明してほしい」といった怒りの声が相次いでいる。

 こうした事態に6月29日、守屋市長は自身の公式ツイッターで「だますようなことは全くありえない」と否定し、「(別の)選挙法定ビラには正しく記載してあった」と主張した。しかし、批判を受けて「誤解を招いたことを深く反省している」と謝罪。7月6日の定例記者会見では「国からの給付金を迅速に支給するという意図だった」と“釈明”した。

 ◆落胆する市民ら

 そのうえで、選挙公報が「限られたスペースとはいえ、もっと的確な表現が必要だったと思う」と反省の弁を述べた。一方で選挙期間中、「国とは別に市独自に現金を給付すると演説したとは思うが、(金額を)10万円とは言っていない」と苦しい説明をした。

 守屋市長は元県職員で、県議を2期務めた経歴があり、選挙戦では「行政経験の豊富さ」をアピールしてきた。しかし、一連の市長の対応を見た市内在住の無職の女性(80)は「説明に無理があると思う」と落胆の色を隠せない。また、選挙戦は現職と544票差の僅差で当選しており、「誤解を与えるような記載をした責任は重大なのでは」と指摘した。

 守屋市長は3日にあった自治会長の会合でも同様に謝罪していたといい、市側は「(記者会見と合わせて)市の内外に対して説明をしたことで、一旦の区切りをつけた」としている。今後は、市が毎月1日に発行している広報紙「広報小田原」の市長コーナーで、今回の問題の経緯などを説明していくという。市民を納得させ、説明責任が果たされるのか。今後が注目される。

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 ◆小田原市長選

 任期満了に伴う小田原市長選は5月10日に告示され、いずれも無所属で、新人だった守屋輝彦市長(53)=自民推薦=と3期12年務めた前市長の加藤憲一氏(56)の2人が立候補。緊急事態宣言が発令されている中での選挙戦とあって、新型コロナウイルスの感染症対策や補償などが焦点となり、大きな注目が集まった。同17日に投開票が行われ、544票差という僅差で守屋市長が接戦を制した。投票率は46・79%だった。

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