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九州豪雨 道路、鉄道橋が20カ所流失 想定外の水位、流木影響も

豪雨被害で流失したJR肥薩線(左)と車道の橋=10日、熊本県球磨村
豪雨被害で流失したJR肥薩線(左)と車道の橋=10日、熊本県球磨村

 記録的な豪雨で熊本、大分両県の道路、鉄道橋の少なくとも20カ所が流失した。熊本の球磨川流域に集中しており、濁流の威力を物語る。河川水位が想定を超えたり、多量の流木で川の流れが悪くなって水圧が上昇したりして、橋が流されたとみられる。近年、豪雨災害による橋の流失が増加。復旧は時間がかかり地域の足に影響するため、国は対策を検討する。

 ■橋桁のむ濁流

 一連の雨で流失が確認された道路橋はすべて熊本県で、県などによると、球磨村の国道219号など16カ所。うち15カ所は球磨川流域だった。いずれも1980年代以前に建造され、最も古い橋は昭和9年に完成した。

 濁流が橋桁を完全にのみ込んだ例もあり、堤防を造る基準となる「計画高水位」を超えていたとみられる。立命館大の伊津野和行教授(構造工学)は「設計時には想定していなかった水量に耐えられなかったのではないか」と指摘する。

 球磨川が流れ込む海域の沿岸では、推定約1万立方メートルの流木が漂着。国土交通省は「流木が橋に引っ掛かることで水の流れが妨げられ、橋脚周辺の水圧がさらに高くなった」と分析している。

 ■流失防ぐ新工法

 国交省によると、鉄道橋は熊本県のJR肥薩線、くま川鉄道の3カ所、大分県のJR久大線の1カ所が流された。JR九州によると、球磨川に架かる肥薩線では2カ所で橋桁が流失。ともに明治41年完成で、定期的に点検や修繕をしており、「とてつもない流量だったのではないか」とみている。

 豪雨災害の激甚化を背景に、中小だけでなく、比較的大きな橋の流失も増えている。昨年の台風19号でも茨城県のJR水郡線や神奈川県の箱根登山鉄道、長野県の上田電鉄別所線で、橋が流失した。JR水郡線では復旧に当たり、橋脚を1本にして水の抵抗を減らし、橋桁も従来より高い位置に設置する工法を採用。来年夏の開通を目指す。

 国交省によると、激流で川底がえぐられる「洗掘」が進行し、道路や鉄道の橋脚が傾く被害も相次いでいる。

 国交省は、橋脚の根元をコンクリートで固める対策工事を推進。しかし、これだけでは今回のような橋桁まで達する雨で流失するリスクがあり、追加の対策を検討している。橋脚が残って橋桁が流される例もあり、伊津野教授は「橋脚の補強に加え、橋桁を支える支承部の強化も有効だ」と話している。

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