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日本でいちばん大切にしたい会社特別賞の西部ガス絆結 障害者雇用に高い評価

書類作成や事務処理などを担う西部ガス絆結
書類作成や事務処理などを担う西部ガス絆結

 ■「自立して生きる場所作りを」

 人を大切にする経営学会主催の「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞で、西部ガスが「審査委員会特別賞」を受賞した。グループの特例子会社、西部ガス絆結(ばんゆう)を通した積極的な障害者雇用が高く評価された。平成29年1月にグループ入りした絆結はもともと、退職した同社の社員が発足させた会社だった。 

(九州総局 中村雅和)

 西部ガス本社が入るパピヨン24(福岡市博多区)の地下1階。ガラス張りの一角に、障害者総合支援法に基づく就労支援事業などに取り組む絆結の事業所の1つ、コピーセンター絆結がある。パピヨン24に入居するグループ各社の事務代行やチラシなどのデザイン、印刷などを手掛ける。社員の多くは、さまざまな障害を抱えながら働いている。

 絆結の船越哲朗社長(53)は、もともと西部ガスで営業企画担当などとして活躍していた。子供に知的障害が判明した15年ほど前から、障害者の自立と企業による雇用の両立などを模索し始めた。船越氏は「多くの障害者が働く福祉作業所では一人で生活できる水準の給与は得られない。社会で自立して生きていくための『働く場所』を作るべきだと思った」と振り返る。

 45歳の時、セカンドキャリアを支援する西部ガスの社内制度に手を挙げて退職。26年3月に障害者の就労支援と福祉サービスを担う「ワークオフィス絆結」(春日市)を設立した。できるだけ十分な給与を出すため半年間は厳しい経営を強いられたが、徐々に軌道に乗っていった。

 ◆動線上に配置  

 転機は28年4月、障害を理由とした雇用差別の禁止などを義務付ける改正障害者雇用促進法が施行されたことだった。法定雇用率の引き上げも決まっていた。

 西部ガスグループは、従来の雇用率は満たしていたものの、引き上げ後には規模の小さな子会社などで法廷雇用率を満たすことが難しくなる可能性が生じた。対応を検討する中で、特例子会社に雇用される障害者を親会社のグループに雇用されているものとみなすことができることから、ワークオフィス絆結を買収、特例子会社にする案が浮上した。船越氏の退職後も、交流があった社員らが間を取り持った。

 西部ガスグループは、絆結を特例子会社にすることで、障害者雇用率を引き上げることができる。絆結にとっても、グループ入りして事業が拡大できれば、より多くの障害者雇用につながる。互いにとってメリットがある交渉はとんとん拍子に進んだ。

 障害に関わらず、高いクオリティの仕事をこなす姿を通して、グループ内に多様性を尊重する風土を根付かせたい-。

 交渉を担当する西部ガス人事労政部は、買収に、そんな効果も狙っていた。そんな中、部内では、買収後の絆結の新事業所をどこに置くかなどの検討を進めた。

 「社員らの動線上に、作ったほうが良いんじゃないか」

 待井弘道・人事労政部長=現西部ガス・カスタマーサービス相談役=は、こう指示した。

 パピヨン24と福岡地下鉄箱崎線の千代県庁口駅が直結する最も目立つ場所に、空きスペースがあったことも幸いし、一等地への入居が決まった。

 ◆期待以上の仕事を

 待井氏の狙い通り、印刷やDM制作などで生き生きと働く様子を、多くの社員や取引先が目にした。仕事のクオリティが高かったこともあり、評価はぐんぐん上がった。

 船越氏は「社会貢献だとして、同情で売り上げが伸びても、それは本来のビジネスではない。持続させるためには、顧客の期待を上回る成果を出し、その対価を得ることが大事だ」と強調する。

 すでに売り上げの約半分はグループ外からの受注であげられるまでになった。

 仕事が増え、収益も上がれば、より重いハンディキャップを抱えた障害者にも、活躍の場を用意することができる。

 船越氏は会社の将来について、こう意気込む。

 「絆結を始めた際の目標だった障害者が自立して生きていくための働く場所作りのため、これからも頑張りますよ」

                  ◇

【用語解説】特例子会社

 障害者の雇用を促進し、安定させるために事業主が特別に配慮した会社。特例子会社に雇用されている障害のある労働者を親会社のグループに雇用されているものとみなすことができる。特例子会社として認定を受けるには一定の要件を満たす必要があり、親会社は子会社の意思決定機関(株主総会など)を支配していることが条件。子会社には、親会社との人的関係が緊密であることや、雇用される障害者が5人以上で、全従業員に占める割合が20%以上であること、雇用される障害者に占める重度身体障害者、知的障害者および精神障害者の割合が30%以上であることなどが求められる。

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