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【イノベーション創発 新たな価値観が地球を救う】(7)SCB理論(下)

 □崇城大学教授・星合隆成

 ■情報の拡散とプラットフォーム化を

 前回、「地域を救う新たな価値観」のための3つの考え方として、「仮想化」「体系化」「可視化」を学ぶ必要があると書きました。今回は「体系化」「可視化」について触れます。

 「体系化」とは、ピア(仮想化された地域資源)同士をどういったトポロジー(接続形態)でつなげるかということです。ピアとは前回、さまざまなモノを封じ込めるための「カプセル(概念的な箱)」であると説明しましたね。そして、ピアのトポロジーは7つの接続形態に分類できることがブローカレス理論(連載第3回で解説)によって明らかになっています。その中の一つである「ハイブリッドモデル」について説明しましょう。

 これは1998年に米国ナップスター社によって提案された接続形態です。たとえば、ユーザーAは音楽ファイル配信者から音楽ファイルをダウンロードします。次にユーザーBが音楽ファイルをダウンロードするとき、音楽ファイル配信者、またはユーザーAのいずれかよりダウンロードします。このように、ユーザーAは利用者であると同時に配信者の二つの役割を担うことになります。この仕組みによる音楽ファイルの拡散、ダウンロード先の拡大により、音楽ファイル配信者への負荷集中を抑止するのです。

 最近この仕組みを実際に体験したことがありませんか? そう、SNSのリツイートやシェアーの機能です。たとえば、ツイッターでCさんがタイムラインにつぶやきます。Aさんはこれを閲覧するとともにリツイートします。すると、このつぶやきがAさんのタイムラインにも表示され、BさんはAさん、もしくはCさんのタイムラインでこのつぶやきを閲覧することができるのです。このようにCさんのつぶやきは順次拡散されていきます。

 ハイブリッドモデルを含め、つながり方、情報の拡散の仕方は7通りに分類されます。さまざまな地域資源同士をどのような形態でつなげ、つながった地域資源の情報をどのように拡散するか。「地域を救う新たな価値観」を考えるうえで、このアプローチは極めて重要です。なお、残りの6通りのトポロジーについては、木楽舎より出版されている『つながりを科学する 地域コミュニティブランド』を参考にしてください。

 最後に、「可視化」について説明します。「SCB」(地域コミュニティブランド)では地域の活動を、(1)「すべての活動において共通的な部分(地域活性化プラットフォーム)」と、(2)「活動固有の部分(地域活性化アプリケーション)」との2階層に分けます。そして、地域の力で地域活性化プラットフォームをあらかじめ構築しておくことによって、これまでの地域活動に比べて、低コスト・短期間で簡単に地域の活動を展開できるようになります。

 また、類似の活動の重複を少なくし、活動同士の連携やノウハウの共有も容易になることで、新たな発火やシナジー効果を期待できます。さらに、プラットフォームという知見などのフィードバック先を提供することで、活動の品質を高めることが可能になります。

 これは、それまでコンピューターシステムを個々にゼロから構築していたのに対して、コンピューターシステムを「システム共通の部分(OS:オペレーティングシステム)」と「システム固有の部分(アプリケーション)」に分離することによって、アプリケーションの開発(システム開発)が容易になったことからヒントを得たものです。

 しかしながら、この地域活性化プラットフォームの構築・運営が負担になっては本末転倒です。そこで、地域資源をP2P・ブローカレス(仲介者不在)で互いにつなげることによって地域活性化プラットフォームを構築するとともに、この地域資源のつながりを外部に公開して可視化することにより、地域活性化プラットフォームへの地域資源の参加を促すのです。

 すなわち、地域資源のつながりを可視化する方法として、地域活性化プラットフォームを構築・公開するのです。

 SCBでは、このように地域資源のつながりを科学的に行うことにより、持続的、再現的、汎用(はんよう)的な地域資源のつながりを低コストで実現しているのです。

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