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ものづくりに創意工夫 「役に立ちたい」…千葉の町工場が新商品

 新型コロナウイルス禍の中、ものづくりを得意とする町工場が、創意工夫で新商品の開発に乗り出している。コロナで収縮した販路拡大のほか、医療従事者を感染リスクから守ろうと、「私たちのノウハウでできることがあれば」「医療の役に立ちたい」など、思いはさまざまだ。

 ◆早く、安く

 需要が下がり続け、高齢化の影響で廃業する町工場は多い。プラスチック板加工業も例外ではない。そんな中でも同業のアイ工芸(千葉市若葉区、従業員6人)は陳列台などを作って創業50年。医療従事者を飛沫(ひまつ)感染から守るため、患者の頭部を覆う「エアロゾルボックス」を作った。

 「私たちは早く、安く、きれいに作ることを大切にしてきた町工場。報道番組でエアロゾルボックスを知り、不足しているのであれば、私たちのノウハウで早く、安く作って供給できるのではと考えた」。販売担当の西見岳久さんはそう話す。

 医療用のため、県外の大学病院の意見を聞きながら開発したという。販売するのは、使い捨てのタイプ(税抜き1箱10台2万円)など。「先生から話を聞き、無理なく導入できる価格でなければ意味がないことや、滅菌不要で取り扱いが簡単な使い捨てバージョンが必要なことがわかった」(西見さん)という。

 ◆職人の腕が頼り

 「つり革に直接触れたくない方が多くいると聞き、バッグを作る技術をいかし何かできないかとの思いで作った」。高野縫製(旭市、従業員約30人)は自分専用のつり革(税抜き1800円)を作った。商品名は「つり革グリップ」。長さ約30センチ、重さ40グラムで、バスや電車のつり革に取り付けて使う。

 昭和42年創業で従業員のうち20人ほどがバッグの裁断から縫製まで行う職人という。そごう千葉店ジュンヌ館(千葉市中央区)に自社店舗の縫左衛門を出店しているが、「うちは職人の腕が頼りの典型的な町工場。素材もそれを扱う職人の心も妥協しません」と営業の小林和人さん。

 仕事は国内ブランドバッグの下請けが中心。販売店が休業となり、発注もなくなったため、販路拡大としてつり革を作った。「コロナ禍での社会のニーズにあわせ、どういうものが私たちにできるかを考えた」と小林さん。同社ホームページで販売している。

 ◆医療に貢献

 昭和44年設立の看板製造、協同工芸社(千葉市美浜区、従業員約120人)は、新型コロナウイルス感染症のPCR検査用ボックスを開発、販売を始めた。

 高さ約230センチ、幅、奥行き90センチのボックスに入った医療従事者がアクリル板で隔てられた患者の検体を採取するウオークスルー方式。開口部から手袋を着けた腕を出し検体を採取することなどから、医療従事者への感染リスクが低いという。背面側は塩化ビニール製シートをカーテン状にして通気性を考慮し、熱中症対策も施した。

 ウオークスルー方式は韓国で使われ、感染拡大抑止の一因になっているとされる。同社は製造した「エアロゾルボックス」を北海道から九州まで50の医療機関に無償配布した。それを機に県内の医師会からPCR検査用ボックスの要望を受けた。韓国からの仕入れは高価で納期や運搬に時間がかかることから、看板製作の技術を使って自ら開発することに。結果として、コストを抑えることができ、価格(税抜き42万8千円)も、他社の製品より割安になったという。

 箕輪晃社長は「エアロゾルボックスで全国の医療機関とやりとりして、地方の病院はお金がないことがわかった。うちの技術で安い製品を作って医療に貢献できればと考えている」と話している。

 【問い合わせ】アイ工芸(080・5084・0243)、高野縫製(0479・57・2792)、協同工芸社(043・242・1676)。

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