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【それでも前へ・コロナ禍】茨城・大洗の老舗旅館「肴屋本店」代表 大里明さん(43) 収束信じ、夏に再開めさす

肴屋本店の代表を務める大里明さん=7日午後、大洗町
肴屋本店の代表を務める大里明さん=7日午後、大洗町

 茨城県大洗町が舞台の人気アニメ「ガールズ&パンツァー」(ガルパン)に登場し「戦車が突っ込んだ旅館」として、マニア垂涎(すいぜん)のスポットとなっている旅館「肴屋本店」も、新型コロナウイルスの影響で休業している。代表の大里明さん(43)は「今の大洗は活気どころか、人の気配がない」とこれまで見たことのない町の様子に驚きつつも「夏には再開させて新メニューをふるまいたい」と力を込める。

 肴屋本店は明治20年創業の老舗。ガルパンの劇中で2度にわたり戦車に突っ込まれて話題となり、今では世界中からファンが泊まりに来るほどの人気を誇る宿だ。だが、新型コロナの影響で4月から休業し、売り上げは昨年比で9割以上減少。とはいえ、従業員は家族中心の少人数で家賃もかからず、雇用調整助成金などを活用して、経済的には持ちこたえている。

 大里さんが最も懸念しているのは再開方法だ。全国で人気を博す旅館であり、新型コロナの患者が発生する可能性も必然と高くなる。「新型コロナが出た宿」となればその後の打撃は避けられない。検温や室内の換気などの対策も考えているが、遠方からのお客さんに熱があった場合、「お引き取りください」と告げるのは難しい。真夏に部屋の換気を求めれば、暑さで熱中症にかかる恐れもある。「再開時にどのような対策をとるかが一番の課題」と大里さんは頭を抱える。

 宿の再開は6月を想定しており、それまでには感染症対策の準備を整えるつもりだ。再開を見据え、肴屋本店の目玉である新鮮な海の幸料理にも気合が入る。大里さんは新メニューを考案中で、「アワビのしゃぶしゃぶを提供しようと思ってます」と意気込んでいる。

 大洗町は、東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)」で起きた臨界事故では、「あんこう鍋」を大洗の名物に確立させ、東日本大震災の時は、ガルパンの舞台としてPRするなどして、観光客を呼び込み、風評被害を乗り越えてきた。今回の新型コロナウイルスの感染拡大では、観光客の積極的な呼び込みも難しく、これまでとは違う形の逆境だ。それでも大里さんの表情は明るく、「今回の困難も、大洗の新たなPR方法につながるはずだ」と希望を語る。(永井大輔、写真も)

 おおさと・あきら 昭和52年、大洗町生まれ。大学卒業後、東京都内で板前修業し、父の経営する肴屋本店へ。31歳の時に父を亡くし、7代目代表として旅館を継ぐ。地産地消を掲げ、大洗でとれた海の幸を中心とした新鮮な料理をふるまう。

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