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新型コロナ どんたく「中止」は苦渋の決断 福岡市、経済ダメージへの対策急ぐ

参加者がしゃもじを叩きながら練り歩く博多どんたくのパレード
参加者がしゃもじを叩きながら練り歩く博多どんたくのパレード

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、福岡の恒例行事「博多どんたく港まつり」も事実上の中止に追い込まれた。ゴールデンウイーク(GW)に九州に観光客を呼び込み、例年開催の2日間で見物客ら200万人を動員する福岡の初夏の風物詩にコロナ禍が直撃し、5月3、4日に予定していた59回目は目玉となるパレードなどを断念した。主催する「福岡市民の祭り振興会」幹部は「GWまでに終息する可能性も考えたが、この状況では厳しい」と苦渋の表情で語った。(九州総局 中村雅和)

 同振興会の事務局を担う福岡商工会議所は、国内で感染が拡大するなか、パレードなど行事の縮小案や祭りの延期案など、できる限り開催の方向で道を探ってきた。並行して、振興会に入る福岡市などとも協議を続けてきた。

 縮小案についてはパレードに向けた練習や、当日の控室などで参加者に多い高齢者が密室に密集する状況が生じかねず、リスクが高いと懸念する声が根強かった。また、パレードをネット中継するなどして来場自粛を呼びかける案も検討されたが、「野球や相撲ではないのだから『無観客開催』は非現実的。そもそも祭りとして多くの人を集めることが大きな目的だ」(振興会関係者)との意見が出て実現しなかった。

 延期案については「そもそも、いつまでに終息するのかが見通せない。そんななか、道路規制などの交渉を警察など関係当局とはとても行えない」(同)と見送られた。

 結局、祭りの起源とされる民俗行事「博多松囃子」は披露するが、そのほかのパレードを取りやめるなど、事実上中止すると振興会幹部が決断した。

 ただ、福商幹部は「商店街だってどんたくセールなどをやる。ただ単に『やめます』というわけにはいかない」と強調する。福岡市の高島宗一郎市長も市内の感染拡大防止策を打ち出すとともに、イベント自粛などによる市内の経済活動の停滞に対する危機感を強く持っていた。

 このため、福商や市は事務レベルでどんたくの事実上中止に伴う経済的なダメージへの対策を検討してきた。具体的には観光振興だけでなく、中小企業対策を担う部署など部署横断的に対応の検討を進めている。26日には、福商首脳の「開催は難しい」との意向が高島氏ら市幹部にも伝わり、検討を急ぐよう改めて指示が出された。

 福岡市は一連のコロナウイルス対策で「ピンチをチャンスに」というメッセージを使っている。どんたくの事実上中止は、福岡の経済活動にとって大きなピンチといえる。それを転換させられるような強いメッセージを打ち出せるか。関係者の手腕の見せ所だ。

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