PR

地方 地方

福岡知事、JR日田彦山線復旧結論先送り 方針転換、沿線自治体と協議不十分

福岡県の小川洋知事(右奥)がJR日田彦山線の復旧方法の結論先送りを表明した県議会予算特別委員会
福岡県の小川洋知事(右奥)がJR日田彦山線の復旧方法の結論先送りを表明した県議会予算特別委員会

 ■JR九州・青柳社長は大幅先送りは否定的

 平成29年7月の九州北部豪雨で被災し、福岡、大分両県の一部区間で不通が続くJR日田彦山線について、福岡県の小川洋知事は25日、県議会予算特別委員会で「今月中に復旧方針を決めるのは難しい状況になっている」と述べ、結論を4月以降に先送りする考えを表明した。小川氏は3月中に決断する考えを示していたが、方針を転換した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、沿線自治体との協議が十分でないことなどを理由に挙げた。(九州総局 小沢慶太)

 日田彦山線の復旧をめぐっては2月12日、JR九州社長と沿線自治体の首長による復旧会議で、バス高速輸送システム(BRT)への転換を軸に復旧方法を検討し、3月末までに結論を出すことを確認。小川氏は県議会の答弁などで「(福岡県内沿線の)添田町、東峰村の両首長と協議し、年度内に復旧の方向性を決断していきたい」と述べていた。

 ただ、JRや福岡、大分両県などはBRT案で合意する方向だったが、東峰村は鉄道復旧を求めて反発姿勢を維持。2月の復旧会議以降は、新型コロナウイルスの感染が広がり、東峰村では村やJRによる住民説明会が開催できない状況が続いている。渋谷博昭村長は、地元ケーブルテレビを通じた今月22日の村民への報告会で「(鉄道で復旧してほしいという)沿線住民の願いを無視しており、リーダーシップを感じられない」と小川氏の姿勢を批判していた。

 こうした状況を受け、小川氏は予算特別委で、結論を先送りする理由について「私と村長の間で復旧方策について住民の意見を踏まえた協議が進められる状況にない」と答弁した。

 さらに県議会からは3月末までの決着には異論が出ていた。超党派の福岡県議らでつくる「九州の自立を考える会」は今月、東峰村の意見などを踏まえ、沿線の地域振興策を検討する協議会を設立。考える会会長の蔵内勇夫県議は「3月までに答えを出すことは考えられない」と牽制(けんせい)していた。

 開会中の県議会2月定例会でも、小川氏の姿勢について「BRT案でやると頭の中で決めているようにしか聞こえない」などと追及された。小川氏は結論を先送りすることで早期決着に慎重論が根強い県議会に配慮を示した格好だ。

 とはいえ、一日も早い復旧は多くの沿線住民の願いでもある。被災から2年半以上が経過しても復旧方法すら決まっていない現状に住民からはいらだちや失望の声が上がっている。

 新型コロナウイルスという不測の事態が影響したとはいえ、決断を先送りにした小川氏の責任は軽くはない。県議会からは「地元に寄り添って、解決の方策を一緒に考える姿勢があれば、ここまで問題がこじれ、住民の反発を買うことはなかった」と、知事のリーダーシップに不満の声が漏れる。

 小川氏は「引き続き地元の意見をよく聞き、県議会の力添えもいただきながら、できるだけ早くよりよい結論を導き出したい」と語った。

                  ◇

 JR九州の青柳俊彦社長は25日、福岡県の小川洋知事が県議会で日田彦山線の復旧方針の結論を先送りすると表明したことについて、「(従来方針だった年度内の決着を)断念したとはいえ、早期解決に向け、努力したい」と述べた。一方、決定時期については「2年間しっかり議論してきた。大きく先延ばしはされないと思っている」として、大幅にずれ込むことには否定的な見方を示した。

 28日の開催で調整されていた復旧方法を議論するJR九州と関係自治体の会議について青柳氏は「(正式な開催案内は)こないのではないか」として、延期されるとの見通しを語った。

 また、超党派の福岡県議らでつくる「九州の自立を考える会」(会長・蔵内勇夫県議)との意見交換にも触れ、「復旧方針と地域振興策は別だ。切り分けて話をしようと申し上げている」と述べた。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ブランドコンテンツ