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五輪・パラ延期 東北各地で対応に追われる 関係者ら複雑な思い

 新型コロナウイルスの感染拡大で、東京五輪・パラリンピックが1年程度延期され、福島県で26日から始まる予定だった国内聖火リレーも中止となったことを受け、東北各県でも25日、急遽(きゅうきょ)、対応に追われた。当初、東日本大震災からの「復興五輪」を全世界にアピールする大会だっただけに、コロナウイルス禍での延期に関係者の間には当惑や複雑な思いが交錯した。

 聖火リレーのグランドスタートを予定していたJヴィレッジ(福島県楢葉町、広野町)では、準備が整っていたステージや飾り付けなどの撤収が始まり、作業開始前には関係者が記念写真を撮る一幕もあった。

 一方、県オリンピック・パラリンピック推進室では、朝から職員がイベントの中止や契約見送りの電話連絡などに追われた。この日、いわき市で行われた「復興の火」の展示にもスタッフを取られたため、忙しさに拍車がかかった。

 関係者によると「五輪延期はトップシークレット。連絡が入ったのは報道発表の後だった」ため、前日に体制を整える時間の余裕もなかったという。

 JR福島駅では昼頃に県からの連絡を受け、東西自由通路に設置されているデジタル表示のカウントダウンボードの電源を切った。

 宮城県の村井嘉浩知事は「国民、アスリートの健康を考えるとやむを得ない」と理解を示した上で「辞退などがなければ都市ボランティアや聖火リレーのメンバーは変更しない」と明らかにした。県は、県庁1階のロビーに設置している東京五輪までの日数を表すカウントダウンボードの電源を切り、五輪延期を知らせる張り紙を掲示した。

 仙台市の郡和子市長は「残念だが、世界的な感染拡大を思うと致し方ない。復興五輪としての位置付けも変わらないので、準備期間ができたととらえたい」と語った。

 国立天文台水沢VLBI観測所(岩手県奥州市)の本間希樹所長(48)は、世界初のブラックホール撮影に成功した国際プロジェクトチームの日本代表で、同市の聖火リレーの一人に選ばれていた。「世界の感染状況を見ると延期も致し方ないと思う。来年は万全の態勢で開催してほしい。ランナーに選ばれたら頑張ります」とコメント。

 岩手県の達増拓也知事は、来年が震災から10年の節目として被災地の復興と支援に対する感謝を「東京五輪・パラリンピックと連携しながら効果的にアピールできれば」と話した。

 聖火リレー青森県実行委員会会長の青山祐治副知事は、組織委員会が延期後は現在、決まっているランナーの優先的な走行を検討していることに期待感を示した。その上で「今後の動向を注視するとともに、延期後の聖火リレーが安全かつ円滑に運営できるよう準備を進めていく」と語った。

 秋田県スポーツ振興課では、聖火リレーのコースに当たる14市町村への連絡などに追われた。

 祖父が前回の東京五輪で聖火をつないだ縁で、公募で最年少走者の一人に選ばれた潟上市立天王中1年の上村大志さん(13)の母、愛海さん(34)は「感染を終息させるのが第一だから仕方ない。息子も納得して再開されるのを楽しみにしている」と話した。

 山形市の佐藤孝弘市長は「ニュースを見てやむを得ないと思った。中止ではなく延期で良かったのではないか。タイとのホストタウン交流など、さまざまな事業をしてきたので引き続き本番に向け、市の活性化につなげていきたい」とした。

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