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逗子崩落 私有地の安全責任どこに 問われる再発防止策

 逗子市で道路脇の斜面が崩落し、県立高校の女子生徒(18)が死亡した事故では、危険な急斜面は民間マンションの私有地だった。県は現場一帯を土砂災害警戒区域に指定しているが、災害時の避難体制の整備などを課すのが限界。市は斜面の下の市道を管理する立場にとどまる。通勤、通学で行き交う人の安全に誰が責任を負うのか。具体的な再発防止策が問われる。

 晴天に恵まれた5日午前8時ごろ、駅方向へ足早に向かう女子生徒の頭上に突然、約68トンの土砂が落下した。高さ約16メートルの斜面の下半分は石垣で補強しているが、草木の生い茂る上半分の一部が崩落。ガードレールは折れ曲がり、歩道が土砂で埋まった。

 斜面の上に立つマンションは平成16年に完成。住人らでつくる管理組合が所有者で、契約した管理会社が保守業務を担う。ただ斜面は目視点検にとどまり、「業者に依頼する専門的な点検は契約に含まれていない」(管理会社)という。住民は「このままでは(災害時に)建物まで崩れないか心配だ」と訴える。

 7日に現地調査した国土交通省の専門家は、土壌の下にある凝灰岩の風化が原因との見方を示した。目視で危険度を推し量るには限界がある。

 私有地とはいえ、市街地に面した斜面の安全をどう守るのか。県によると、急傾斜地法に基づき、所有者が要望して一定の条件を満たせば県が防災工事を行う仕組みがある。だが今回の現場では要望がなく、県担当者は「所有者がしっかり対策するのが基本だ」と強調する。

 県は事故を受け、同じように土砂災害警戒区域に指定している約8700カ所の一部で、斜面の緊急点検に乗り出した。ただ、危険箇所が見つかったとしても安全確保には時間がかかりそうだ。

 黒岩祐治知事は「調べた上で、どう崩れないようにするか、丁寧な作業が必要だ。民間や市など責任の所在が分かれ、膨大な作業になる」と語った。

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