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下北愛、食の恵み通じ育む 斗南丘牧場ミルク工房「ボン・サーブ」原英輔社長(65) 青森

 青森県むつ市の広大な酪農地帯「斗南丘(となみがおか)」にある黄色い瀟洒(しょうしゃ)な建物が、ひときわ目を引く。斗南丘牧場ミルク工房「ボン・サーブ」。地元産の乳製品が評判を呼び、若者の地元定着や地域活性化への取り組みも評価され、県の今年度「攻めの農林水産業賞」を受賞した。地元愛が育んだ幅広い活動で、下北半島をPRしている。

 斗南丘は再興を志して下北に移住し、斗南藩を作った会津藩の人たちが開拓の拠点として築いた。だが、ヤマセ(偏東風)で開拓に苦慮し、県の後押しで北海道の酪農家20戸が戦前に移住、酪農経営を始めたのがきっかけだという。

 開拓の精神を後世に伝える意味でも地元の牛乳を地元の人たちに味わってほしいという思いから、自身を含む5人の酪農家が会社を設立し、平成10年、斗南丘に工房をオープンさせた。工房は下北半島の最高峰、釜臥山(標高879メートル)を眺望できる場所にあり、「酪農地帯の真ん中でソフトクリーム、ヨーグルトを味わってほしい」と力を込める。

 飲むヨーグルトとソフトクリームは人気の定番商品だが、手作りのため生産量は限られる。それでも「地元の生乳を使った新鮮さ、良質さが売り」と“顔の見える商品”に自信を持つ。今年度からは「しもきたヨーグルト」を開発・販売。低温で18~20時間かけてゆっくり発酵させる方法によって「口当たりがまろやかになり、深みのある味」と太鼓判を押す。

 下北半島が育んだ食の恵みを通して中・高校生に農業の魅力を積極的に発信しているほか、毎年秋と冬に乳製品加工や動物との触れ合い体験ができる子供祭りを開催。「楽しめるイベントを重ねることで思い出と古里への愛着が生まれ、県外就職を希望する生徒たちに少しでも地元の良さを感じてもらえるきっかけを作りたい」と地元愛の醸成にも尽力する。

 下北半島は日本三大霊場「恐山」(同市)や奇岩怪石が並ぶ「仏ケ浦」(佐井村)などの自然遺産が数多く点在。教育やツーリズムに活用することで、地域振興につなげるジオパークに認定された。「にぎわいを創出するための地域活動に、気軽に参加できる切り口を提供していきたい」。下北ジオパークガイドの会会長として、下北のイメージアップにも寄与していくつもりだ。(福田徳行)

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