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【隣人との共生-現状と課題】(下) 生活習慣の違い…トラブルに 日本語教育支援や自治会役員選出で対応

 増え続ける外国人と共生する上で何が問題になっているのか。トラブルは主に生活習慣の違いに起因しており、川口市や蕨市によると、特にゴミ出しが問題だという。分別ゴミの種類、曜日、時間など日本の生活習慣やルールを理解していないケースが少なくない。

 こうした問題に川口市では日本語や英語、中国語を含めて9カ国語で解説したガイドブックを配布するなどして対応している。蕨市も5カ国語で記載したパンフレットを作製し、外国人が市役所に転入届を提出した際に配布している。

 ゴミ出し問題と並んで多いトラブルが生活騒音だ。住宅密集地域では室内の会話や音楽が外に響いてトラブルや苦情の原因になっているという。「ゴミ出し問題と同様に生活習慣やルールを理解していないことが背景にある」(川口市)ためだが、トラブルを少しでも減らそうと、川口市は1月から、市内への外国人転入者に多言語対応のガイドブックを配布している。

 また、地域で暮らす外国人の増加に伴い、深刻化しているのが教育現場の問題だ。親の都合で来日し、日本語が分からない状態で教育機関に転入する児童や生徒が増えている。意思疎通がうまくできず、トラブルに発展するケースがある。

 こうした現状を踏まえ、蕨市は平成29年度から「日本語特別支援教室」を始めた。日本語教師2人と主任指導員1人を配置して小学1年~中学3年の児童・生徒を対象に、個々のレベルに応じて3カ月をめどに日本語を指導している。

 さらに、市内の小学校7校のうち6校と、中学校3校全校に対し、県から派遣された日本語指導教員各1人(小学校は1校2人)を配置し、二段構えで日本語の教育支援を実施している。

 川口、蕨両市の事例から分かるように生活習慣や文化の違いを乗り越え、互いが理解し、尊重し合うことは容易ではない。まずは外国人が安心して生活できるインフラの整備やサポート体制を充実させることが共生には不可欠といえる。

 その上で、互いの文化や生活習慣を理解し、尊重し合える仕掛けづくりが必要だ。川口市にある芝園団地の自治会や蕨市の一部の町内会では役員に外国人を選び、日本人と一緒に地域課題に取り組む事例も出始めている。

 人口減少が続く日本にとって外国人は今後、重要な隣人になっていくのは間違いない。川口、蕨両市が直面する共生に向けた取り組みは日本の「縮図」で、本格的に到来する共生時代の先進事例といえる。(藤坂浩司・ぶぎん地域経済研究所調査事業部副部長兼主席研究員)

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