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海老名の警備会社「優成サービス」、福祉トイレカー開発 オリパラ需要に期待

 ■障害者や高齢者が気兼ねなく…行政も注目

 障害者や高齢者が、どのような場所でも気兼ねなく使えるトイレをつくりたい-。その思いから、海老名市の警備会社「優成サービス」が開発したのが「福祉バイオトイレカー」だ。障害者も参加する各種スポーツ大会やイベントのほか、災害現場など、数多くの場面で活躍する同車には行政も注目。今夏の東京五輪・パラリンピックをはじめ、今後、活躍の場が広がることが期待される。

 福祉バイオトイレカーの車内は、実際に障害者や高齢者が使いやすいように、さまざまな工夫が施されている。車椅子に座ったままでも利用できるよう、専用のリフトを搭載しているほか、体を支えるための手すりや、つり輪も設置。衣服の着脱に時間がかかる障害者のために、冷暖房も完備している。

 ◆環境にも配慮

 環境面に配慮されているのも、大きな特徴だ。排泄(はいせつ)物はトイレの中の、おがくずに含まれる細菌で分解され、乾燥させれば、有機堆肥として再利用が可能だ。車内の照明なども、車の上部にあるソーラーパネルの発電で行われている。

 「開発のきっかけは、ある車椅子の人からの一言でした」と振り返るのは、同車を考案した優成サービスの八木正志会長(70)。11年間、警察官を務めた後、平成3年に同社を設立した。その一言とは、10年ほど前のある日、横須賀市で道路工事の警備を実施中に車椅子に乗った年配の男性が発した「トイレがあるというのは、いいですよね」という言葉だった。

 当時、同社は福祉バイオトイレカーに先駆けて、トラックに搭載できる小型の車載用トイレを開発し、屋外で警備を行う社員が使えるようにしていた。車椅子の男性は、その様子を見て声をかけてきたのだった。

 多目的トイレの設置は進んでいるものの、大勢の人が集まるイベントなどでは、一般の人も利用する。車椅子に乗っていると、どうしてもトイレに時間がかかる。それを考えると遠慮してしまい、多目的トイレでもなかなか使いづらいのだという。

 ◆震災でも活躍

 男性から打ち明けられた話に、八木会長は衝撃を受けた。「そういう人たちが、優先的に使えるトイレがあってもいいのではないか」。車載用トイレをもとにして、福祉バイオトイレカーの設計に取りかかった。ときには自分が車椅子に乗り、本当に使いやすいかどうかを確かめることもあった。試行錯誤を重ね、1号車が完成したのは20年5月のことだった。

 福祉バイオトイレカーは東日本大震災や熊本地震、北海道胆振(いぶり)東部地震でも活躍するなど、多くの災害現場のトイレ支援に加わった。東日本大震災では、震災直後から被災地に3台を派遣。宮城県石巻市や岩手県釜石市などで、支援活動を行った。約1年7カ月にわたる支援期間で、約2万4千人の被災者やボランティアが利用した。

 健常者用のものも含め、福祉バイオトイレカーは現在までに8号車までが製作されている。28年には北海道苫小牧市に公用車第1号を納車。今後各自治体が同車を購入する場合は、国の「緊急防災・減災事業債」の対象のため、地方交付税交付金を活用できるようにもなった。

 「日本は平和だからこそ、もっと障害者や高齢者に温かい国になるべきだと思う。この車が、少しでもその役に立てればうれしい」。全国の多くの地域に福祉バイオトイレカーを普及させるのが、八木会長の現在の目標だという。

                  ◇

▽本社=海老名市国分南1の27の28 (046・235・6069)

▽設立=平成3年6月12日

▽資本金=2千万円

▽従業員=22人

▽事業内容=警備業を主として、建設現場の軽作業も請け負う。さらに「福祉バイオトイレカー」の開発や販売、レンタルなども手掛ける

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