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【iPS細胞心筋シート】「山あり谷ありの20年」患者からは大きな期待

iPS細胞から作成した心筋細胞シート治験の実施について発表する澤芳樹・大阪大学教授ら。右は宮川繁・大阪大学特任教授=27日午後、大阪府吹田市(彦野公太朗撮影)
iPS細胞から作成した心筋細胞シート治験の実施について発表する澤芳樹・大阪大学教授ら。右は宮川繁・大阪大学特任教授=27日午後、大阪府吹田市(彦野公太朗撮影)

 20年間開発に取り組んできた心不全治療が、ようやく第一歩を踏み出した。27日に大阪大の研究チームが移植実施を発表した、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作成した心筋シート。深刻なドナー不足が続く中、有効な治療法が存在しない重症心不全に対する新たな治療法となる可能性があり、患者からも期待の声が上がる。

 「山あり谷ありを乗り越えてきた」。27日の会見で、阪大の澤芳樹教授は淡々とした表情ながら、苦労をにじませた。

 澤教授らは平成12年に東京女子医科大と細胞シートによる心筋再生治療研究を始め、20年には京都大とiPS細胞を使った心不全治療の共同研究に着手。そうした中、30年の大阪北部地震で研究施設が被災して移植用の細胞の培養に遅れが出るなど、これまでの道のりは必ずしも平坦(へいたん)ではなかった。

 新たな段階に、安全性の高い治療法を望んでいた患者らの喜びも大きい。重い心臓病を患う大阪府箕面市の女性(50)は「今回の治療法が安全で一般的な治療法になれば、患者やその家族にとっては希望の光になる」と話す。

 ただ、今月に移植手術の1例目を終えたばかりで、評価はまだ定まっていない。澤教授は「第一歩が始まっただけで、この先の道は厳しい。将来的に一人でも多くの心不全患者を救うような医療技術になってほしい」と表情を引き締めた。

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