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【令和2年 ここにチュー目】(9)「今年の日本は明るいぞ!」 観光産業地方波及で商品も売れる

 □TOTO・喜多村円社長(62)

 昨年は米中貿易摩擦や消費増税など、景気に影響するさまざまなことが起きました。でも、私は短期的な波には一喜一憂しません。なぜなら夢は景気に左右されないからです。もちろん、手持ちの現金が足りなければ我慢しますから、「夢の決断」には影響します。でも、夢は夢であり続ける。夢を持てる商品を作るのが私たちの役割です。

 国内では今後、人口も減りますし、ある程度住環境も整っています。新築より、10~20年と使ってきたトイレや浴室を取り換える需要が柱でしょう。リフォームした人は皆「もっと早くやればよかった」と言います。昔に比べて音は静かでにおいもしない。おまけに節水もできるわけです。

 逆に、これから10年以上使うと思えばこそ、より付加価値の高い商品を求めます。ショールームに来るお客さんは、当初の予算が200万円でも平気で50万円オーバーしますよ。良いものを見ると夢は膨らむんです。購入後のアフターケアがさらに満足度を高めます。10~20年先にまたTOTOを選んでもらえるブランドを維持する努力は欠かせません。

 ◆海外市場悲観せず

 海外市場に目を転じてみましょう。やはり懸案は米中貿易摩擦でしょうか。ただ、私は悲観していません。輸出産業を中心に影響は出ていますが、中国には他国にはない内需がありますから。一人あたりのGDPでは日本や米国に及びませんよね。ということは、10億人を超える人がまだまだ豊かな暮らしをしたいと思っているんです。

 今年度の中間決算では、中国市場の売上高は前年同期比でほぼ横ばいでしたが、営業利益が下がりました。営業利益率も前年の24%から16%に落ち込んでいます。上海や北京といった都市での超高級住宅市場が伸び悩みました。私たちの強かった分野です。一方、中高級クラスは堅調です。

 実は、衛生陶器の戸数ベースでは出荷は増えているんですよ。ただ、価格が低いのでどうしても利益率が下がってしまう。とはいえ、今年度下期では営業利益率は20%くらいまで回復すると見込んでいます。米中貿易交渉の行方にもよりますが、新年すぐにではなく、じわじわとでしょうね。

 ◆インバウンド期待

 今年はいよいよ東京五輪ですね。昨年のラグビーワールドカップに続き、インバウンド(訪日外国人客)を受け入れる上でいい流れが続いていると思いますよ。間違いなく日本経済にプラスです。日本には多くの文化遺産があり、潜在力は高いと思っています。

 ただ、せっかくの潜在力を生かし切れていない。一つはコミュニケーションです。例えば、観光で食べているイタリアは、どんな地方都市でも多言語の案内が当たり前にありますよ。人はいなくても、レコーダーで日本語の解説を聞けるんです。「伝える」という努力が、日本はまだ足りないのではないでしょうか。

 来てもらいさえすれば、しめたものですよ。食の安全に身の安全、これに付随して衛生環境がある。観光地だけでなく、あらゆる現場でよりよいトイレに変わってゆくでしょう。観光産業は今後、リピーターが増え地方都市にも波及します。日本全体が上向く。そうすれば自然と、私たちの商品も買ってもらえる。

 今年の日本、明るい話題ばかりじゃないですか! 

(九州総局 大森貴弘)

                   ◇

【プロフィル】喜多村円

 きたむら・まどか 昭和32年5月、福岡県生まれ。長崎大経済学部を卒業後、56年に東陶機器(現TOTO)に入社。経営企画部長などを経て、平成23年6月、取締役常務執行役員。26年4月、社長に就任した。

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