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【令和2年 ここにチュー目】(8)「九州支店にはさせない」 ロシア企業と協業、低価格ガス確保

 □西部ガス・道永幸典社長(62)

 極端な話ですが、現在のエネルギー自由化の厳しい競争環境下で何もしなければ、わが社は「九州電力ガス事業部」や「東京ガス九州支店」になりかねないという危機感がある。そうなってはいけないし、させない。グループ社員の雇用や将来を守る。独立独歩でいくために、もがき続けます。

 社員は本当によく働いてくれている。昨年末に始めたユーチューブ上での新しいPR動画など、自由な発想でやってくれている。手応えはありますよ。社外の方から「ここ最近、西部ガスの名前が出ているよね、露出が高いよね」と評価していただく。社員がほめられると、自分のこと以上にうれしいですね。

 ◆LNG輸出実績を

 ただ一方で、露出が増えても競争の厳しさは変わらない。産業用は顕著です。

 顧客にとって(競合する九州電力とは)単価しか違いはない。いくら関係を築いていても、年間数千万円違うような価格を提示されれば、奪われてしまう。

 値段で対抗するしか対策はないと思っている。しかし、赤字覚悟で売るような体力は、わが社にはない。

 その意味で、液化天然ガス(LNG)の輸出プロジェクトで基本合意を結んだロシアのガス生産・販売大手、ノバテクとの関係は大きい。国際取引で稼ぐだけではなく、低価格のガス確保につながるからです。

 協業のための協議を成功させるため、西部ガスとしてはどんどんガスを売らなければいけない。中国内陸部にLNGを輸出する計画がある。専用のコンテナを使えば、効率よく運べる。あまりもうけようとは思っていない。とにかく、われわれとして、LNGを輸出した実績を作る。(ノバテクから安定してLNGの調達が可能になれば)現在結んでいるLNG長期契約を更新する際の選択肢も増える。

 ◆メリハリつけ突破

 昨年12月、グループとして温浴施設(スーパー銭湯)事業への参入1号店「ヒナタの杜 小戸の湯どころ」(福岡市西区)を開業しました。実は、男女の浴室でアメニティなどに大きな差をつけた。成功の鍵は平日の昼をどうするかです。(その時間帯は)主婦層が主なターゲットですから、女性用の施設を充実させた。すべてにまんべんなくお金は出せない。強弱をつけて一点突破するしかない。メリハリは大切です。そんな思いも込めました。

 グループ会社の事業も、同じようなメリハリが必要でしょう。

 昨年4月、社長に就任した際、事業再編について、検討を始めました。複数のグループ会社にまたがる不動産事業については、(マンション開発などを手掛ける)エストラストなど一部を除いて、1つにする。年度内には方針を出そうと思っている。

 卸売業から実店舗まで事業領域が幅広くまたがる飲食関連も、うまく統合できないか考えている。これは来年度以降でしょうね。

 また、90近くある子会社の中には、社員10人程度なのに、総務系社員が2人在籍するといったところもある。今さらですが、(グループ内で間接部門を共有する)シェアードサービスを導入するなど、効率化を進める。大なたを振るうのは、その後でしょうね。 

 (九州総局 中村雅和)

                   ◇

【プロフィル】道永幸典

 みちなが・ゆきのり 昭和32年11月、福岡県生まれ。九州大経済学部を卒業後、56年に西部ガス入社。CISプロジェクト室長や情報通信部長を経て、平成27年常務執行役員総務広報部長、28年取締役常務執行役員。31年4月から社長。

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