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【上州この人】DET群馬代表・飯島邦敏さん(47) 「心のバリアフリーを」

 「障害平等研修」(DET)という活動をご存じだろうか。障害者が司会進行役となって進める対話型学習で、参加者が社会にある障害を取り除くための行動を考える発見型学習でもある。県内で積極的な取り組みを繰り広げるDET群馬代表の飯島邦敏さん(47)に活動内容や思いを聞いた。 (椎名高志)

 DETはもともと1990年代後半に英国で生まれた。日本では平成17年にNPO法人障害平等研修フォーラムが誕生し、全国で活動を展開。DET群馬は28年9月に設立された。これまでに学校や行政団体、企業などを対象にした研修は約160回を数え、参加者は7千人を超えた。

 「最初は、多くの参加者が『障害者を平等にする研修だろう』と思って入ってくる。『障害イコール障害者』としてとらえ、障害者のほうが社会に合わせていかなければ生きていけないと考える」

 しかし、「障害の原因は社会のほうにこそある。中でも多様な人を理解せず、差別・排除してしまう心のバリアが最大の課題と気付いてくれる。気付きはいろいろな行動に結びついていく」。

 研修ではビデオやイラストなどを教材に使い、グループワーク形式で組織や個人としての具体的な解決行動を考える。参加者に問い続けるのは「障害とは何」ということだ。

 障害者が司会進行役を務めるのは、「出産・子育てを、未経験の男性が語るのと経験した女性が語るのとでは、どっちが心に響き伝わるかというのと同じ。さらには障害者の社会参加という面もある」。

 自身も8年前、10万人に1人という難病を発症し、車いす生活を余儀なくされた。

 「一時は引きこもりにもなった」というが、フォーラムの研修に参加し、「頭に雷が落ちたような衝撃を受け、これを群馬でも広めていかなければと決意した」。車いすのユーザー3人が結束し、DET群馬の設立が実現した。

 研修以外に、参加者全員が車いすに乗る「みんなのバリアフリー運動会」や「みんなでつくるバリアフリーマップ」への参加、「いせさき七夕まつり」でのごみ拾いなどさまざまな活動を展開する。

 「とにかく、携われるものは何でもやっていこう精神」と笑う。高校生から70代まで約50人のサポーターがチームをつくっている。

 「心のバリアフリーが広がれば、多様性を認め合う共生社会が当たり前になる。最終的には研修を必要とされなくなるのが目的」と力を込めた。

                   ◇

【プロフィル】いいじま・くにとし

 昭和47年生まれ、伊勢崎市出身。県立伊勢崎商業高校を卒業後、同市内の会社で専門性の高い重量とびとして働く。平成23年に希少難病の慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)を発症。昨年4月から2代目のDET群馬代表。

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