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再び聖火と共に走る 五輪ランナー、前回東京に続き福岡・姫島さん 感謝込め「手を振る」

前回東京五輪の記念の旗を手に喜びを語る姫島和生さん=17日、福岡県みやこ町
前回東京五輪の記念の旗を手に喜びを語る姫島和生さん=17日、福岡県みやこ町

 「年齢に関係なく挑戦したいと思っていた。うれしかった」

 17日、福岡県から選ばれたみやこ町の無職、姫島和生さん(72)は同町役場で開かれた記者会見で、こう感極まった。前回1964年の東京五輪に続き2度目の起用は、16日に県の担当者から電話で内定を伝えられたという。気持ちを質問されると、思わず感情がこみ上げ、ハンカチで涙をぬぐった。

 出身は大分県野津町(現臼杵市)。地元の県立野津高校(現在は閉校)3年のときに聖火ランナーの大役が回ってきた。同校からは姫島さんともう一人が選ばれた。

 当時、東京でオリンピックが開かれることは知っていたが、聖火リレーのことは頭になかった。高校の先生からランナーに選ばれたことを告げられたが、55年たった今も「なぜ自分が選ばれたのか理由はよくわからない」と笑う。

 しかし、起用されたからには「一心不乱に走ろう。トーチを掲げた手は絶対に下げない」と決めた。自宅から高校まで4~5キロの道のりを自転車で通学していたため、脚力には自信があった。

 聖火リレーでは、町内のトンネルなど約2キロほどの峠道を担った。白バイが先導し、背後には10人ほどのランナーが伴走。トーチをしっかりと高く上げたまま懸命に走りぬいた。

 沿道の声援や拍手はよくは覚えていないというが、燃え盛る聖火の炎は今でも鮮明に記憶に残っている。「いつか分からないが、次もチャンスがあればたとえ80歳になっていたとしてももう一度走りたい」と思っていた。

 高校卒業後は大分県警を経て航空自衛隊に入隊し、基地警備を務めた。定年の54歳で退官した後は地元、みやこ町の児童館で子供たちの教育に関わっている。現在も月1回程度、児童クラブで小学生に歌やカルタなどを教えている。

 今年7月に県の実行委員会が始めたランナーの公募に応募。念願がかない「多くの応募者の中から選んでもらった。感謝しかない」と噛み締める。

 県内の聖火リレーで姫島さんは来年5月13日に走る予定で、どのコースを走るかは今後決まる。

 前回は比較的速いペースで駆け抜けた記憶がある。今回は、一人当たりの走行距離が約200メートルと短く、「『ありがとう』と手を振りながら走りたい」。家族ら周囲への感謝を胸に、大会の盛り上がりを感じながらゆっくりと前に進むつもりだ。

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