PR

地方 地方

大分県、空港アクセス改善にホーバークラフト復活案浮上 国内唯一「観光の目玉」期待

大分空港周辺の陸地を進むホーバークラフト=平成19年7月、大分県国東市(ホーバー継承の会提供)
大分空港周辺の陸地を進むホーバークラフト=平成19年7月、大分県国東市(ホーバー継承の会提供)

 バスで1時間程度かかる大分市中心部と大分空港(大分県国東市)のアクセスを改善するため、平成21年に廃止されたホーバークラフトを復活させる案が浮上している。実現すれば別府湾を航行して大分市と空港を約25分で結ぶことができる見込みで、国内唯一の旅客輸送となるだけに「観光の目玉にもなる」と関係者は期待する。

 ◆バスに不満

 大分空港の30年度の利用者数は約200万2600人と、16年ぶりに200万人を超えた。しかし、利用者からは「バスの所要時間が長すぎる」と不満が漏れ、地元経済界も利用者数拡大に弾みをつけるために迅速な交通手段を求めている。

 そこで、ホーバークラフトの復活を検討している。県などが出資する第三セクターが昭和46年から別府湾で運航し、大分観光の名物の一つとなった。だが、リーマン・ショック後の不景気で空港の航空需要が低迷したため利用者が減り、三セクは業績が悪化して経営破綻した。

 ホーバークラフトはかつて瀬戸内海の本州の岡山県と四国の香川県の間や、伊勢湾などを経由して愛知県や三重県の都市を結んだが、いずれも廃止された。

 ◆3案を検討

 大分県は平成30年度に海上交通の調査事業を始め、ホーバークラフトの復活案と、高速船を2つの異なる区間で運航する計3案を比較して検討した。ホーバークラフトの方が所要時間が5~15分ほど短くなると想定。既存の施設を活用できるため3隻を導入する場合の初期費用も約50億~75億円となり、約60億~230億円の高速船を下回った。

 一方、ホーバークラフトは現在国内メーカーで製造されておらず、故障時に交換する部品を購入する場合に比較的高価になるとの難点も指摘した。国内向けに改造したり、部品の長期的な調達手段を確保したりする必要があるのも課題に挙げた。

 県は3案の収支予測や船舶の調達方法なども調べた上で、令和2年3月までにいずれかを実現できるかどうかを決める。ホーバークラフトまたは高速船を導入する場合、運航事業者は民間から公募する方針だ。

 広瀬勝貞知事は記者会見で「ホーバークラフト(の所要時間)が一番早いが、過去に運休になっており、同じ失敗を繰り返さないことが大事だ」と語った。

 一方、愛好家団体「ホーバー継承の会」(大分市)の油布大輔会長(42)は「ホーバークラフトのファンは県外にもいる。復活すれば、別府湾の観光船としても使えるのではないか」と話す。

                   ◇

【用語解説】ホーバークラフト

 海上などでプロペラを用いて船体下部から大量の空気を水面に噴出し、船体を浮上させて高速で航行する水陸両用の乗り物。日本では旧三井造船(現三井E&Sホールディングス)が1960年代に生産を始めたが、販売低迷により平成14年頃に製造を中止し、撤退した。現在も英国のメーカーが生産を続けている。大分空港と大分市を結ぶ航路が21年に廃止された後、日本では旅客輸送用の運航はされていない。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ブランドコンテンツ