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バスの安全運転技術競う 他社も参戦、西鉄がコンテスト 福岡

新設された連節バスの部門で車庫入れに臨む運転手
新設された連節バスの部門で車庫入れに臨む運転手

 西日本鉄道は、バス運転手の技術や安全の意識を高めようと、福岡県大野城市の西鉄バス研修センターで、ドライバーズコンテストを開いた。今年は初めて他のバス会社の乗務員も招き、業界が連携してレベルアップを目指した。

 今年で9回目を数えるコンテストは「一般路線バス」「高速・貸し切りバス」など4部門に分かれて、制限時間内の運転の正確さを競った。通常のバスを2台つなげたような、全長18メートルの連節バス部門が新設された。

 参加した運転手61人は、3年以内の事故やトラブルがゼロで、所属する営業所などから推薦された。全員が初出場だった。

 バスはS字や直角に曲がった狭い道を、切り返しながら前進した。運転手はコース脇にずらりと並んだペットボトルを倒さないように、運転席の窓から何度も外を見て確認していた。緊張の面持ちの運転手を、職場の仲間が小旗を振って応援した。

 他社からは、ジェイアール四国バス(香川県)、宮崎交通(宮崎県)、函館バス(北海道)、小田急バス(東京都)の4社が参戦した。

 参加した西鉄早良営業所の中野将志氏(41)は、トレーラーの運転手から転職し、現在は連節バスのハンドルも握る。中野氏は「お客さまを乗せる仕事で責任感が求められる。運転席では『ありがとう』という言葉が直接聞け、やりがいを感じる」と語った。

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 ■深刻なバス運転手不足、運行に影響も AIでダイヤ、JRと連携も

 全国のバス会社は、深刻な運転手不足にあえぐ。西日本鉄道が開いたコンテストには、業界全体でバス運転手の士気を高めようという狙いもあった。

 西鉄グループ全体では、約4千人のバス運転手がいる。それでも路線バスの運転手は、必要数に対し、100人は足りないという。1人当たり月2~3回の休日出勤で、不足分を穴埋めしている。

 西鉄は運転手の待遇改善に加え、平成27年に高卒者を採用し、3年以上かけて運転手を育成する制度も導入した。効果は出ているが、不足を一気に解消するのは難しい。

 運転手は地域の交通インフラの担い手だ。不足は、さまざまな形で影響を及ぼしている。

 西鉄は30年3月のダイヤ改正で、福岡都心部を走る「100円循環バス」の一部ルートの運行を取りやめ、最終バス計11便の発車時間を繰り上げた。

 また、観光利用などの貸し切りバスでは今年、需要があっても人手不足で稼働できないケースが相次いだという。路線バスの運転手確保を優先するためだ。

 この機会損失で、令和元年9月中間連結決算で、バス事業は減収だった。

 倉富純男社長は「効率的なダイヤ編成や自動運転など、生産性を上げる研究を、怠りなくやっていく」と語った。来年3月のダイヤ改正では、人工知能(AI)を使った需要分析も活用し、便数の最適化を進める。研究は日立製作所と共同で実施している。

 日本バス協会(東京)の29年度のアンケートでは、30両以上のバスを保有する企業の85・8%が運転手不足と答えた。業界内で運転手の奪い合いが起き、運転手が確保できずに減便を実施する会社もある。

 日本一のバス会社と言われる西鉄の取り組みは、他社の関心を集める。西鉄は、JR九州と輸送サービスでの連携も決めた。

 ただ、人口減少が進む中、バス路線や運行本数を今まで通りに維持するのは難しい。最適化へ、地域交通網を「上手くたたむ」知恵が求められる。 

(九州総局 高瀬真由子)

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