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首里城火災 文化財の防火態勢点検 埼玉県、復元施設中心に指示

 那覇市の首里城で木造3階建ての正殿などが焼失した火災を受け、県は文化財の防火態勢を点検するよう求める通知を、県内の全63市町村の教育委員会に出した。通知は10月31日付。(竹之内秀介)

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 県教育局の文化資源課によると、県内の国指定有形文化財は計80件で、うち5件が国宝に指定されている。県は4月にフランス・パリのノートルダム大聖堂が炎上した際、市町村を通じて県内全ての国宝や重要文化財などの防火態勢の緊急点検を実施。今回は緊急点検の対象から外れていた、首里城のような復元施設を中心に点検を指示した。

 県によると、県内の主な復元施設としては、当時の設備を復元した鉢形城(寄居町)の「三の曲輪四脚門」や、県立歴史と民俗の博物館(さいたま市大宮区)の「竪穴住居」などがある。

 文化財をめぐっては近年、神社仏閣などの文化財でコンサートやライブを開催し、地域の特色をアピールする「ユニークベニュー(UV)」と呼ばれる取り組みに注目が集まっている。UVを後押しするため、4月に改正文化財保護法が施行され、文化財を利用する際の規制が緩和された。

 首里城でも10月27日からイベントが開催され、少なくとも同30日深夜まで関係者が準備作業をしていた。現時点で作業と火災との因果関係は不明だが、県の担当者は「(首里城の火災は)UVに取り組もうという矢先の出来事だった。まずは文化財の防火管理を徹底した上で、保護と活用を両立させたい」と話している。

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 一方、文化財を管理する県内の寺社関係者は不安の声を上げる。

 本堂が国宝に指定されている妻沼聖天山歓喜院(熊谷市)の鈴木英全住職(77)は、首里城の火災原因として、電気系統のトラブルによる可能性が指摘されていることを念頭に、「火の気は用心できるが、漏電は目に見えないので対応しにくい。まず首里城の出火原因を知りたい」と話す。喜多院(川越市)の塩入秀(しゅう)知(ち)住職(61)は、「文化財を保護し、将来への伝承が預かっている者の使命だ。改めて防火態勢を確認したい」と強調した。

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 ■県内の国宝 妻沼聖天山歓喜院聖天堂(歓喜院) 短刀銘備州長船住景光(県立歴史と民俗の博物館) 太刀銘景光・景政(同館) 法華経一品経(慈光寺) 武蔵埼玉稲荷山古墳出土品(県立さきたま史跡の博物館)

 ■県内の主な重要文化財 喜多院(喜多院) 旧田中家住宅(川口市) 紙本著色伝貞巖和尚像(甘棠院) 木造阿弥陀如来坐像(泉福寺) 埼玉県行政文書(県立文書館) ※カッコ内は所有者、管理者

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