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瑞宝単光章 元東武鉄道新栃木乗務管区長・大槻和雄さん(65) 現場の絆 3つの“おかげ”

 3日付けで発令された「秋の叙勲」受章者のうち、瑞宝単光章の大槻和雄さん(65)=元東武鉄道新栃木乗務管区長、日光市=に喜びの声を聞いた。

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 鉄道員の華といえる運転士と車掌。彼ら、彼女らを束ねる管理業務に長年従事した。「裏方に徹してきた私が栄誉を受けるとは、想像もしていなかった」

 乗客からは見えにくい区長や助役の役割を、ひと言で説明するなら「乗務員の資質を引き出し、良いプレーをしてもらうこと」だという。無事勤め上げられたのは、3つの“おかげ”があったからだと振り返る。

 高校卒業後、自動車関連の仕事を経て、26歳で東武鉄道に入社。駅員や車掌としての勤務経験は短く、30代半ばで管理職に転じた。

 業務指示や指導、教育の相手は、自分よりはるかに経験の長い先輩ばかり。昔ながらの職人気質も色濃かった。そんな部下たちに、どう接すればいいのか-。頼りにしていた先輩助役の教えは、「日常的に濃いコミュニケーションをとれ」。この助言のおかげで、現場との信頼関係を築く糸口をつかんだ。

 助言に従って時間が許す限り、野球やテニス、ゴルフなどの職場サークルやレクリエーションの多くに参加した。「自宅でくつろぐのは正月くらいだった」。それができたのも、一男一女の世話など家庭のことを引き受けてくれた妻、あけみさん(61)のおかげだ。

 ベテラン車掌たちとの「上司と部下の関係」は、「人と人との付き合い」を重ねるうち、円滑になっていった。突発的な乗務手配や事故、トラブルへの対応を割り振るときも「大槻さんの差配なら」と、快く引き受けてもらえるようになった。

 東日本大震災の日は、休みだった。自宅を車で飛び出し、運転見合わせの列車に張り付けとなっていた部下の乗務員たちに食料を配って回った。「時代が変わっても、鉄道を支えるのは人。みな気持ちを一つにしなくては」と信じている。

 今は、24年前から続ける地元小学生のミニバスケットボールの指導などに忙しい。ここで身に付けたチームの団結力の養い方が、3つ目の“おかげ”だ。

 「人を育て、成長を見るのは何より楽しい」。退職後も、同じやりがいを地域スポーツに感じている。(山沢義徳)

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