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門司に残る菊のヘッドマーク 昭和最後のお召し列車 九州鉄道記念館が儀式当日だけ公開

九州鉄道記念館が保管している菊のヘッドマーク
九州鉄道記念館が保管している菊のヘッドマーク

 昭和天皇が昭和62年5月、全国植樹祭のため訪問した佐賀県で乗ったお召し列車に装飾されていた菊のヘッドマークが、北九州市門司区の九州鉄道記念館に保存されている。記念館は22日の「即位礼正殿の儀」に合わせ、この日限定で公開した。

 JR九州と記念館の副館長で鉄道の歴史に詳しい宇都宮照信さんによると、このお召し列車は静養などを除き、昭和天皇の地方への公務としては最後の運行。62年に国鉄民営化でJRが発足してからは初めてだった。

 専門家によると、菊のヘッドマークの使用時期が特定できるのは珍しい。

 ヘッドマークは当時の大分運転所が制作。鉄と青銅製で直径62センチ、重さ約20キロ。福岡市にある車両基地、南福岡電車区で保管していたのを平成13年、開館前に展示品を選定する過程で記念館が引き継ぎ保管してきた。

 昭和天皇は昭和62年5月、佐賀県嬉野市(当時は嬉野町)で開催された植樹祭に出席。お召し列車は同月24日、佐賀県内の有田(有田町)-西唐津(唐津市)間、同25日に西唐津-肥前麓(鳥栖市)間で運行。昭和天皇が乗る車両を牽引(けんいん)した機関車「DE10形1209号機」の先端部にこのマークが取り付けられた。

 宇都宮さんによると、西唐津駅や肥前麓駅は規模は小さいが、駅舎を通らず、段差なしにホームから直接、自動車に乗り降りできる構造を理由として、乗降の駅に選ばれたとみられる。昭和天皇は当時、体調が優れなかった。

 鉄道のヘッドマークに詳しい京都鉄道博物館の遠山由希子学芸員は「ヘッドマークは一目で列車の個性を表すもの。とりわけ昭和最後に使われた菊は貴重な資料だ」と話す。

 お召し列車は天皇、皇后が乗車する臨時運行の特別列車で、旧国鉄や民営化後のJR各社のほか、私鉄が担う場合もある。JR東日本は平成19年、国鉄時代の皇室用特別列車「1号編成」の後継列車を完成させた。現在の両陛下は、茨城県で開催された国体の総合開会式出席のため、9月28日から1泊2日の日程で初めて使われた。

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