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熊本地震から3年半 災害公営住宅、来春全戸入居目指す 集落のつながり、孤立防止課題

災害公営住宅の建設現場で思いを話す東無田地区の区長、堀川正秀氏=熊本県益城町
災害公営住宅の建設現場で思いを話す東無田地区の区長、堀川正秀氏=熊本県益城町

 熊本地震で被災し、自力再建が困難な人が入居する災害公営住宅は、熊本県内で整備予定の1715戸のうち半数近くが完成し、来年春の全戸入居を目指し工事が進んでいる。地震発生から14日で3年半。恒久的な住まいの確保が進む一方、孤立防止の取り組みも課題となっている。

 県によると、9月末時点で建設型仮設住宅や、民間賃貸住宅の家賃を行政が支払う「みなし仮設」などに依然約7千人が暮らしている。災害公営住宅は12市町村で計760戸超が完成し、うち西原村や甲佐町など4市町村は全て整備を終えた。

 一方、震度7を2度観測し、住宅の約6割が全半壊した益城町では最も多い671戸を設ける計画だが、完成したのは36戸にとどまる。ただ工事は順調に進み、来年3月までに全て整備される予定だ。

 集落のつながりを維持し、入居後の孤立を防ぐ取り組みも進む。約120戸のうち約8割が全半壊した益城町の東無田地区では集落端の農地にまとめて整備される予定だった。しかし、区長の堀川正秀氏(69)らは「宅地に住む人が減ると見守りや防犯機能が低下し、集落が存続の危機に陥る」と中心部での整備を要望した。

 当初予定の農地に16戸、中心部2カ所に計12戸建設されることになり、来年3月に全戸完成する。町は1カ所にまとめた方が管理がしやすいとしていたが、堀川氏は「入居するのは高齢者が多く、集落全体での助け合いが必要」と話す。

 災害公営住宅に入居後のコミュニティー形成は被災地共通の課題だ。東日本大震災でも誰にもみとられずに亡くなる「孤独死」が問題となり、蒲島郁夫知事は「地域全体の見守り態勢を構築したい」と強調する。県は仮設住宅での見守り活動を実施してきた市町村と連携し、生活状況の把握を継続する。

 熊本県立大の沢田道夫教授(地方自治)は東無田地区の事例を高く評価し、「地域を安定的に維持するには住民の力が重要。住民はきちんと地域の将来ビジョンを描き、行政も耳を傾け、協働する必要がある」と語る。

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