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熊本市内の写真館・松尾さん、復興する姿背景に新郎新婦撮影

熊本城の二の丸広場で新郎新婦の前撮りをする松尾陽介さん(右)
熊本城の二の丸広場で新郎新婦の前撮りをする松尾陽介さん(右)

 「はい、見つめ合って」。秋の陽光に輝く熊本城大天守を背景に、和装の男女にシャッターを向ける。熊本市内の写真館に勤めるカメラマン、松尾陽介さん(34)は、熊本地震の修復工事が続く城の周辺で年100組以上の新郎新婦の前撮りをしてきた。大天守の開放に「復興の兆し。修復の様子も含め、今しか残せない一枚を撮り続けたい」と誓った。

 10年以上前から福岡市の写真館を拠点に、九州各地の名所で前撮りをしてきた。特に心を奪われたのが、壮大な熊本城だった。熊本市の姉妹店に拠点を移していた平成28年4月に最初の激震「前震」が発生した。城に向かうと、石垣や国重要文化財の長塀が崩れていた。

 「ショックで言葉にならなかった」。城やその周辺での撮影は全て延期した。

 数カ月後に再開したが、大天守を目の前で臨める「天守閣前広場」は、立ち入り禁止のまま。ある新郎新婦に他の場所での撮影を提案すると「熊本のシンボルであることは変わらない。ありのままの城の姿を写してほしい」との言葉が返ってきた。背中を押された気持ちになった。

 いずれも熊本市出身で今は北九州市に暮らす医師、兵藤裕貴さん(31)と妻の恵里さん(29)は一般開放の前、立ち入り可能な「二の丸広場」で前撮りをした。「小さい頃から見てきた地元の誇り。帰省のたびに復興に向けて進んでいると感じ、前向きな気持ちになれた」と裕貴さんは話した。

 全面復旧まで20年近くかかるとされる熊本城。「結婚後の人生を、城の復興と重ね合わせ築き上げてほしい」。松尾さんは、シャッターを押し続ける。

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