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震災伝え未来の命救う 津波から児童守った山元の元校長

宮城県山元町の震災遺構・中浜小前で、兵庫県の若手教職員らに震災当時の避難行動などを伝える井上剛さん(右端)
宮城県山元町の震災遺構・中浜小前で、兵庫県の若手教職員らに震災当時の避難行動などを伝える井上剛さん(右端)

 東日本大震災の津波に襲われ、600人以上が犠牲になった山元町の震災遺構・中浜小は、令和2年度の一般公開に向けて保存工事が進む。備えとして津波からの避難方法を震災以前に決め、校舎屋根裏に児童を連れて逃げた当時の校長、井上剛さん(62)は「教訓を伝え、未来の命を救いたい」と決意。教職を退いた後も被災校舎前で語り部を続けている。

 中浜小は津波で2階建て校舎の2階天井付近まで浸水。屋根裏に避難した児童や住民ら計90人が全員津波を逃れ、ヘリコプターで救助された。平成25年3月で廃校となった。

 海から約400メートルにあり高潮などによる浸水被害が多く、平成元年の建て替え時には地元住民の声を受け敷地全体を約1・5メートルかさ上げした。約1・2キロ先の高台まで児童を連れて逃げると、約20分かかることも教職員で引き継いでいた。

 井上さんは災害時に意見が割れ避難が遅れないよう、日頃から教職員と話し合い「津波到達が早い場合は屋根裏に上がる」と決めた。震災では大きな揺れの後「約10分後に津波が到達」と報じられたため即断。「備えに救われた」と振り返る。

 今年8月、井上さんは研修で中浜小を訪れた兵庫県の若手教職員らに当時の避難行動を伝えた。参加した中学校教諭の谷口杏奈さん(23)は「多くの選択肢の中で自分なら迷うかもしれない。素早く行動するために日頃の備えが大事だと痛感した」と話した。

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