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日本語の習得、官民一体で 来日間もない子供支援 川崎市、共生社会へ取り組み

 外国人労働者の受け入れを拡大する改正入管難民法の施行で、さらなる外国人の増加が見込まれる中、子供たちにとって学校での勉強に関わる日本語習得は大きな課題だ。既に多くの外国人が住む川崎市では共生社会の実現に向け、来日間もない子供の支援に官民一体で取り組んでいる。

 「最初は授業で何をしゃべっているのか分からなかった。でも学校や地元で同じ悩みを持つ人と出会い、先生たちの支えで高校に合格できた」。8月1日、県立川崎高(川崎市川崎区)の教室。中国人の親を持つ男子高校生が読み上げる作文を、外国籍の中学生ら約20人がじっと聞き入っていた。

 ◆「あきらめないで」

 川崎区には、市内に住む外国人約4万4千人(6月末時点)のうち、4割近くが集中する。同区は今年から社会福祉法人「青丘社」と共同で、来日3年以内の中学生を対象にしたサマースクールを開催する。

 作文や学校の宿題を指導するのは、元教員だけでなく、同じように日本語習得に苦労した高校生や大学生たち。お手本として披露した作文にはその苦労がつづられている。

 神奈川大4年の佐々木聖●(せいしょう)さん(24)は母親が生まれた中国で中学卒業まで過ごし、平成24年に来日した。「言葉ができないと、大学も就職も選択肢が狭まってしまう。あきらめないでほしい」。机に向かう後輩を流暢(りゅうちょう)な日本語で励ました。

 青丘社は16年から川崎区で外国人の子供の日本語学習を支援。その実績が認められて今年からは区との共同事業となった。

 ◆「寺子屋」開設も

 原千代子事務局次長(62)は「小学校高学年や中学になってから来日すると、授業についていくのは大変」と指摘。市立小中学校166校のうち27校に日本語学習支援の教室が設置され、その数は27年の8校から大幅に増えたが、「さらなる支援の拡充が必要だ」と強調する。

 川崎区に次いで外国人が多く住む中原区も昨年、市教育委員会と地域住民が協力して外国人の子供の学習を支援する「寺子屋」を開設。当初2人だけだった利用者は、現在10人にまで増えた。

 8月には「先生養成講座」が開かれ、元教員や主婦ら14人が参加した。講師を務めた国嶋信さん(65)は定年退職後も市立鷺沼小学校で教壇に立ち、外国人の子供を支援する国際学習室を担当する。「言葉が通じず孤立しがちな子供も周りに認められたい。頑張る動機探しや友達づくりを支援してほしい」と訴えた。

                   ◇

 ≪川崎市の外国人人口≫

 川崎市の外国人人口は6月末現在で4万3969人(うち20歳未満5569人)。全7区の区別内訳は、川崎区1万6350人(同2433人)▽中原区5970人(同594人)▽幸区5385人(同766人)▽高津区4984人(同558人)▽多摩区4835人(同467人)▽宮前区3609人(同427人)▽麻生区2836人(同324人)。

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