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障害ある地方議員も課題直面 質疑時間確保や介助費負担悩み 神奈川

 先の参院選で、重度障害がある舩後靖彦、木村英子両参院議員(いずれもれいわ新選組)が初当選して注目を集めたが、鎌倉市や茅ケ崎市など県内を含めた地方議会では、重い障害のある議員が既に実績を挙げている。彼らの活躍で議場や地域のバリアフリー化が進むが、質疑時間の確保や介助費用の負担など国会と同様の課題に直面し続けている。

 「身体障害者中心のグループホームについて、過去の答弁は『早期に開設できるよう調整を進める』だった。展望を聞かせてほしい」

 ◆議会の職員が代読

 鎌倉市議会で9日に行われた一般質問。本会議場の中央で議会事務局職員が代読したのは、隣で電動車いすに座る千一市議(65)が用意した質問文だ。

 千氏は生まれつき脳性まひで手足や発語に重い障害がある。バリアフリーや福祉の充実を目指し、平成13年に初当選。現在は5期目だ。当選後、車いすで席に着けるよう議場が改修され、言語障害に応じ質問の代読がルール化された。

 この日の質問は、千氏の発音に慣れた妻、佳子さん(53)が事前に聞き取り清書した。市幹部の答弁を聞いた千氏が再質問を求めると、準備のため本会議は休憩に。議場に残った千氏は一言一言、絞り出すように話し、聞き取った職員が文字にした。本会議の再開後、再質問が代読された。

 ◆準備時間も含まれ

 質疑には課題も残る。一般質問は議員1人につき最大2時間の決まりで、議場には残り時間が表示される。言語障害のある千氏は再質問までに時間がかかるが、準備中もカウントダウンは止まらず約1時間半を空費した。

 千氏は「事実上は30~40分しか質問できない。再質問の準備は持ち時間に含めないでほしい」と障害を踏まえた配慮を求める。難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」で声を出せないれいわの舩後氏の質疑方法も、今後議論になるとみられる。

 障害に柔軟対応した例もある。新潟市議会では全盲の青木学市議(53)が23~25年に副議長を務めた。それまで議会で答弁する市幹部は挙手するだけだったが、青木氏が指名できるよう、挙手と同時に名乗る方式に変わった。副議長交代後も慣例になっているという。

 ◆「不公平だ」と憤る

 重度訪問介護のサービスを利用している舩後、木村両氏は、議員活動中を「経済活動」と見なして介助費を公的補助の対象外とする現行制度の改善を求める。両氏が国会に登院した日は、参院が介助費を当面負担することになったが、問題意識は地方議員も共有する。

 筋萎縮症で全身に障害がある茅ケ崎市議の豊嶋太一氏(46)も、議員活動中の介助に公的補助がつかず、月約15万円を自費で払ってヘルパーを雇う。「市民の負託を受け、職務を遂行するために必要な経費だから、議会が支出するか、日常生活と同様に公的補助の対象にしてほしい」と訴える。

 4月に初当選した聴覚障害者の中島竜二愛知県豊田市議(31)は、札幌市で企業が開いた議員向け研修に参加した際、手話などの通訳が用意されず、政務活動費約7万円を払って確保した。「ほかの議員は参加費と旅費だけで済むのに不公平だ。こうした費用が重なれば、その分ほかの活動が制約される」と憤った。

                   ◇

 ≪重度訪問介護≫

 障害福祉サービスのうち、重度の障害者で常時介護が必要な人に対し、ホームヘルパーが自宅を訪問し、入浴や排泄(はいせつ)、食事など生活全般の手伝いや外出時の移動支援といった介護をする。重い障害があるれいわ新選組の舩後靖彦氏と木村英子氏もサービスを利用しているが、現行制度では「議員活動」は「就労」と同様に収入の発生する「経済活動」と見なされ、雇用主が負担すべきだとの考えから公的補助の対象外となっている。

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