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【一歩ずつ~復興への軌跡】子供たちを再び海へ プロサーファーの佐藤広さん 福島・南相馬

「自分は海で人とのつながりができた。今、子供にとって海は怖い場所だが、素晴らしさを知ってもらいたい」と佐藤さんは力説する=福島県南相馬市の北泉海岸
「自分は海で人とのつながりができた。今、子供にとって海は怖い場所だが、素晴らしさを知ってもらいたい」と佐藤さんは力説する=福島県南相馬市の北泉海岸

 「やった!」

 秋の気配が漂う福島県南相馬市の北泉海岸。何とか波に乗れた女の子に、屈託のない笑みが浮かんだ。女の子をコーチするのは、同市のプロサーファー、佐藤広さん(37)だ。

 北泉海岸では今夏、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故後初めて9年ぶりに海水浴が再開された。ライフセーバーを務めた佐藤さんには忘れられない出来事がある。

 「海って本当にしょっぱいんだね!」

 家族とはしゃぐ9歳の男の子のひと言に、佐藤さんは「どこの人かと思ったら地元の子。ショックだった」と衝撃を受けたという。

 震災では自宅を津波で流され、千葉・鴨川の避難生活が長かった。それでも、佐藤さんは「地元の良さを実感できた」と振り返る。それだけに「戻ったら、海に子供がいなかった」のが残念だった。佐藤さんは決めた。

 「育ててくれた人がいてプロになれた。今度は自分の番。子供たちに海に入るきっかけを作ってあげよう」 (芹沢伸生)

 東日本大震災は発生から8年半が経過した。被災地で生活する人々は一進一退を繰り返しながらも、復興に向かって一歩ずつ進んでいる。被災地での復興への軌跡を、たどっていく。 

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