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野良着が伝える集落の暮らし 明治~昭和の110枚発見、展示紹介検討 滋賀

 昭和50年代に住民の減少で廃村となった多賀町霊仙の落合集落の古民家から、明治時代~昭和20年代のものとみられるボロ布(ぎれ)で繕った野良着約110枚が見つかり、「当時の暮らしぶりを伝える重要な資料」として展示紹介などが検討されている。海外では「BORO(ボロ)」と呼ばれ、パッチワークや刺し子が斬新なアートとして人気を集めており、国内では文化財指定されたケースもある。

 野良着は主に農村の女性が炭焼きなど農作業時に身に着けたもので、紺色の木綿の生地を継ぎ合わせた分厚いベスト「でんち」や男性作業用ズボンの「股引(ももひき)」などで、消耗品のため、ほとんど残っていない。古民家で見つかったのは明治時代から昭和20年代のものとみられる野良着で、肩などが擦れて破れた跡が残り、実際に農作業などに使われていた可能性が大きい。

 古民家の所有者とその友人の彦根市松原町、澤田順子さん(57)が昨年11月に、廃屋となっていた古民家を整理している際に見つけた。野良着は風呂敷に無造作に包まれていたり、こうりにしまわれていたりした。野良着のほかに、寝間着や前掛けもあった。

 落合集落は霊仙山(標高1094メートル)中腹にあり、昭和50年代には全ての住民が離村し、廃村状態となった。村ではボロ布(ぎれ)を「ぼっこ」、野良着を「山行きぼっこ」などと呼んでいた。

 海外ではボロ布で繕った着物が芸術としての評価が高く、国内では青森県で文化財に指定されたケースもある、澤田さんは「仲間を募り、将来は国際的な展示会開催などで有効活用したい」と意気込んでいる。

 県立大の横田尚美准教授(服飾文化)は「1軒の家から野良着が大量に見つかるのは極めて珍しい。農村の女性が布を大切にして暮らしたことが分かる貴重な発見だ」と話している。

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