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第36回産経国際書展瀬戸内展が24日、広島市で開幕

 ■会長賞(かな部門)受賞の大田美州さん、両手首骨折の試練克服し快挙

 「第36回産経国際書展瀬戸内展」(産経新聞社、産経国際書会主催)が24日、広島市の広島県立美術館で始まる。全国から応募された6157点のうち、瀬戸内地域の入賞作を中心に約317点を展示。産経国際書会会長賞(かな部門)に輝いた広島県尾道市の大田美州(おおた・びしゅう)さん(72)=本名・宙美(ひろみ)=は、両手首骨折の後遺症を抱えながらの快挙に、「山あり谷あり、の中で思いもかけない賞をいただいた」と喜びを語った。29日まで。

 大田さんは広島・福山で故吹抜溪風(ふきぬけ・けいふう)師、寺田扇舟(せんしゅう)師(現神戸笹波会)に学び、地元の書道団体の土筆会や芦辺書苑、神戸笹波会で活躍。受賞作は、桜色の美しい料紙に、藤原俊成らの和歌12首を流麗な筆致で連ねた。

 大田さんは、長男が1歳になった26歳のとき、書を始めた。「かな文字の美しさにひかれて始め、現在まで休んだのは次男を出産したときの1カ月と、両手首骨折の1カ月だけ。いつの間にか46年です」と笑う。

 17年前、交通事故で左足首と肋骨(ろっこつ)を骨折し、1カ月半入院した際も、毎週土日に外泊許可を取って産経展の出品に取り組んだほど、のめりこんだ。

 そんな大田さんにとって、試練となったのが9年前の両手首骨折だ。両手ともギプスで固められ、字を書くどころか自分で顔も洗えない。整形外科の担当医には「神経が損傷していたら筆は持てない」と言われ、うつ状態になった。

 かかりつけの内科医に精神安定剤を処方してもらい、懇意の接骨院の先生に、「僕が必ず書けるようにしてあげる」と勇気づけられ、リハビリに励んだ。寺田師や書道の先輩の先生方、友人、家族ら多くの人に支えられ、平成26年の第31回展で無鑑査会員奨励賞を受賞。今回の快挙につなげた。

 今も手の痛みは消えたわけではない。右手首は普通の人の半分も曲がらない状態で、手指の第一関節が変形するヘバーテン結節も加わり、さまざまな痛みと戦いながら書作に取り組む。

 「世の中には、もっと不自由で過酷な状態でも頑張っている人がいる。今回の受賞は、くじけてレールから脱線しそうになる私への叱咤(しった)激励と思い、心新たに精進していきます」と誓った。(福本雅保)

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