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韓国人観光客激減で対馬の観光に打撃深刻 閑古鳥にも「静かさ取り戻した」の声

閑散とする長崎県・対馬の比田勝港周辺
閑散とする長崎県・対馬の比田勝港周辺

 日韓国境に近く、旅行者の大部分を韓国人が占める長崎県・対馬のホテルや飲食店などの観光業が、日韓関係悪化による韓国人旅行者の激減に悲鳴を上げている。韓国・釜山から高速船で1時間強とアクセスが良く、昨年は人口約3万人の島に約41万人の韓国人が訪れた。対馬では危機感が広がる一方、これを機に韓国人客への依存から脱するべきだとの声も出る。

 長崎県などによると、対馬市を昨年訪れた観光客は約53万7千人で、韓国人が4分の3を占めた。25の主要宿泊施設のうち、約10施設で、今年7月の宿泊者数が前年同月より5~9割減り、8月も落ち込んだ。

 対馬と釜山を結ぶ高速船の運休や減便の動きも出ている。

 韓国人客の大半が入国する島北部の比田勝港の周辺は8月上旬、閑散としていた。港に面した韓国人向けのカフェは空席が目立ち、店員の原弘美さん(46)は「3年前にオープンしてから、毎日こんなに暇なのは初めてだ」とこぼした。

 港から徒歩約5分のホテルでは、7月中に約170件のキャンセルが出た。韓国人の男性従業員(29)は「個人客はまだ来ているが、団体客の宿泊はほぼゼロで、半分以上が空室。いつまでこの状況が続くのか…」と不安そうだった。

 対馬市によると、対馬と釜山を結ぶ高速船は平成11年に運航が始まり、12年の韓国人旅行者数は約7550人となった。

 その後、運航企業が増え、買い物やトレッキング、釣りを楽しむために訪れる旅行者数が爆発的に増加した。韓国人観光客の島内消費額は、29年に約79億4100万円に上ったとの試算もある。

 それだけに、港近くのスーパーで働く梅野矢素子さん(58)は「韓国人は日常の風景の一部」と話す。店内は韓国人に人気だという缶チューハイや、スナック菓子「うまい棒」が山積みのまま残り、レジ横には会計を意味するハングルの大きな表示があった。

 一方、港から路線バスで約2時間半かかる市中心部、対馬市厳原町の住民は複雑だ。70代の無職女性は「急に韓国人が増えて戸惑っていた。対馬には打撃かもしれないが、静かな島を少し取り戻せた」と打ち明ける。

 対馬観光物産協会の西護事務局長(46)は「本音を言えば、日本人の観光客をもっと増やしたい」とこぼす。韓国人観光客は日本製の食品や日用品を多く買い求めるが、対馬の特産物はあまり売れないという。

 西さんは「韓国人を大量に受け入れた飲食店やホテルで日本人客が減った例もある。外交といった外部要因で打撃を受ける可能性もあるし、韓国に依存するリスクは高い」と課題を指摘している。

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