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宮城・閖上のシラス、「地元の食卓に並ぶものに」 静岡、福島の漁師から指導受け

 閖上の伝統的な魚介類といえばアカガイ。しかし、定期的に貝毒が検出されるため、生活の安定が得られる水産資源が必要だった。そこで活路を見いだしたのが、福島県相馬市や南相馬市で漁が行われていたシラス。「比較的近くで(シラスが)取れていたので、宮城にもシラスがいたことは知っていた」(相沢さん)からだった。

 県に働きかけてシラスの漁業権を得ることができたものの、漁法や管理法はゼロからの出発だった。相沢さんをはじめ閖上の漁師たちは静岡や福島の漁師を地元に招き、指導を仰いだ。

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 シラス漁は1日当たり2度水揚げするのが通例。閖上のシラス漁で採用しているのは、「一艘(いっそう)曳(び)き」と呼ばれる漁法だ。1隻で魚の群れを包囲するように網を投げ、シラスの群れを船に搭載されたレーダーで見つける。ただ、最初のうちは苦労の連続だったという。

 「群れの目測を誤って網を上げても、何も入っていなかったり、違う魚を獲ってしまった」と相沢さん。1年目の漁獲量はわずか約35トン。全国の漁獲量が約6万トンだったのに比べれば、相沢さんは「すずめの涙みたいなものだった」と当時を振り返る。

 だが、2年目となった昨年は漁船も5隻から7隻に増やし、漁獲量も約135トンにまで増加。今年も8隻の漁船がシラス漁に出ている。

 相沢さんは言う。「復興が進む町で新しい魚を残すことが、閖上に帰ってきて仕事をする意義になる。シラスを地元の食卓に必ず並ぶものにしたい」。萌芽(ほうが)したばかりのシラス漁に、希望を見いだしている。

 東日本大震災は11日で発生から8年半を迎える。安定的な生産の北限とされる食材は、被災地でも多く存在する。北限の食材に復興を託す人々の姿を、計3回にわたり紹介する。

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