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楠公づくしの地車、「地元」南河内に初登場

新調された喜志新家町の地車=富田林市
新調された喜志新家町の地車=富田林市

 飾りの屋根や軒下などに彫られた彫刻の図柄が、ゆかりの武将、楠木正成(まさしげ)、正行(まさつら)父子のエピソードでほぼ占められた地車(だんじり)が、富田林市で誕生した。地車の彫刻は、神社の祭神や歴史上の名場面、著名な武将などをモチーフとするのが定番。しかし、南河内地域では、大楠公、小楠公と称される正成父子が地盤としていた“地元”にもかかわらず、「楠公デザイン一色」の地車はなかったとのことで、制作者らは「これを機に郷土の英雄の魅力発信を進めたい」と意気込んでいる。

 “楠公地車”を制作したのは同市北部の喜志新家町(きししんけちょう)の住民ら。同市宮町にある美具久留御魂(みぐくるみたま)神社の秋祭り用で、「正成公・正行公の統一彫り」と銘打ち、大小ふたつの屋根を持つ地車の「虹梁(こうりょう)」と呼ばれる軒下部分などを埋める彫刻のデザインを、正成父子のエピソードで統一した。

 例えば、小屋根の正面虹梁上段を飾る場面は、自身の作戦が朝廷に受け入れられず戦死を覚悟して出陣した正成が、死後を託した嫡子の正行と訣別する「桜井の別れ」。同下段には、正行がわずかな軍勢で敵の総大将に迫るも、衆寡敵せず敗死したとされる「四條畷の戦い」が彫られた。

 そういった“有名どころ”のエピソードに、同市内の神社など地元と関係が深い伝承などを加えた約20場面が、幅約2・3メートル、長さ約5・6メートル、高さ約4・2メートル(重さ約2・5トン)の車体のいたるところを飾っている。

 今回の制作は、平成14年に他所の中古を譲り受けて地車曳行を復活させた同町にとって、復活後初めての新調。「せっかく新調する地車なら、郷土の英雄、楠公さんのエピソードで埋め尽くそう」と、デザインを決めた。同様の「正成父子で彫刻のモチーフを統一した地車」が、「泉州には数例あるものの、ゆかりの地である南河内にない」(同町住民)ことも決定を後押ししたという。

 8日に入魂式と、美具久留御魂神社までを往復する「お披露目曳行」を実施。「正式デビュー」となる同神社の秋祭りは、10月18~20日の3日間にわたって行われる。

 喜志新家町地車曳行委員会の玉宅(たまや)修会長(58)は「この新しい地車を通じて世代間の絆を強めるとともに、楠公さんたちの魅力を末永く広めていきたい」と抱負を語った。

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