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平城宮跡南側どうなる? 市役所移転ご破算も都市公園化は着々

 老朽化が進む奈良市役所本庁舎をめぐる問題は、仲川げん市長が進める耐震改修案で決着した。荒井正吾知事が推奨した平城宮跡南側の積水化学工業奈良事業所跡地への移転建て替え案はご破算となったが、県は平城京のメーンストリート「朱雀大路(すざくおおじ)」を生かした同跡地の都市公園事業計画を着々と進めている。(川西健士郎)

 県まちづくり推進局によると、解体工事が進められている工場跡地4・9ヘクタールのうち、逆「L」字形の約2ヘクタールを県が買収。平城宮跡に面した北側を「にぎわい空間」、南北に延びる幅約75メートル(推定)の朱雀大路の東側を含むエリアを「朱雀大路遺構保全空間」として整備する計画だ。

 残りの3ヘクタール弱は、ホテルや商業施設などを誘致する民間事業エリア。荒井知事はその一部に市役所を誘致することで、行政が率先してまちづくりの方向性を示せると考えたが、実現しなかった。しかし、積水化学工業・県・奈良市の3者は昨年8月、跡地活用に関する包括連携協定を結んでおり、平城宮跡周辺にふさわしい都市景観をつくるべく、話し合いを続けているという。

 荒井知事は今月8、9の両日、政府の令和2年度予算編成に向けた提案、要望のため関係省庁をめぐった。国土交通省には、古都の魅力を向上させる新たな取り組みとして「平城宮跡南側地区の整備推進」を提案。県が買い取る土地などの一部について、国が費用負担する交付金事業に採択されるよう要望した。県の担当者は「条件は満たしており、よほどのことがなければ採択されるだろう」とみる。

 世界遺産の平城宮跡では、平成22年に第一次大極殿が復元され、昨年3月にはガイダンス施設やレストランなどが集まる「朱雀門ひろば」がオープン。奈良観光の一大拠点化を進めている。もっとも、交通アクセスの悪さなどがネックとなり、観光客数も奈良公園にははるかに及ばない。

 それだけに、平城宮跡のにぎわいに直結する工場跡地の魅力創出は重要だ。十分な誘客が見込めれば、現在は平城宮跡を横断する近鉄奈良線の史跡外移設による「朱雀門前駅」設置の可能性も高まっていくだろう。

 荒井知事は「大手不動産会社やコンサルティング会社は面白い立地だと興味を示している。努力の末にJWマリオット(奈良市役所の南側に来春完成予定の高級ホテル)が来てくれたように、県が率先してアイデアを出し、朱雀門前にふさわしいまちづくりに向けた誘致ができるように努力していく」と話している。

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