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【ZOOM東北】秋田発 次世代光技術実用化へ秋田大「ALL」設立 水平方向の連携、結び付け

 次世代の光技術を暮らしの中で実用化するための連携組織「ALL(オールジャパン・ライティング・ラボラトリー)」が、秋田大によって設立された。光技術を研究、支援する産学官の連携はこれまで縦割りの単発で行われてきたが、実用化に限界があるため、全国の大学や研究組織と中小を含む企業を水平方向に結び付けることが狙い。今後の展開が注目される。(八並朋昌)

 ◆求められる経営管理

 「人口減少が続く日本では、組織と業務の効率化と集約化が欠かせない。それでも、これまで以上の価値を生み出すには不足するものが必ずある。それを補うのが外との連携なんです」

 こう強調するのは、ALLの代表であるプロジェクト・マネジャーを務める秋田大大学院理工学研究科の河村希典准教授だ。河村准教授は「人と人、機関と機関、地域と地域を円滑に連携させるマネジメント(経営管理)機能こそが今、求められているんです」と力を込める。

 河村准教授らは、経済産業省から「地域中核ローカルイノベーション支援事業」として委託(支援)を受け、次世代光技術を実用化するALLを設立。中心にある秋田大マネジメントチームが、秋田県内だけでなく東北や全国、さらには海外にある産学・産産機関をつなぎながら、水平連携を見据えた事業創出と製品化をマネジメントする。

 設立当初は産学研究機関として河村准教授が会長を務め、約30企業が連携する「次世代ひかり産業技術研究会」と、同じく理工学研究科の田中元志准教授が会長を務め、約40企業・個人が連携する「あきた快適環境創造研究会」が参画する。

 さらに支援機関として、光学産業の高度化支援を行う秋田産業技術センターや、有機EL照明で実績を積む産学官連携の山形県産業技術振興機構をはじめ、NPO法人ホトニクスワールドコンソーシアム(北海道千歳市)、三重大、東京電機大、大日本科研(京都府向日市)、大興製作所(京都市南区)といった次世代光技術の産学・産産機関が連携している。

 具体的な実用化も進んでいる。あきた快適環境創造研究会は、音と香りが連動する有機EL照明を一部実用化。生体リズムや体調に合わせてリラックスしたり、さわやかになったりする室内環境を演出する。

 また、次世代ひかり産業技術研究会では、微小な液晶レンズを埋め込んだ樹脂フィルムをまもなく商品化する。電圧をかけると、くもりガラスのように遮光できたり、差し込んだ太陽光の角度を変えて、たとえば天井に当てたりできるようになる。

 ◆未来を照らす

 河村准教授によると、すでに両研究会の会員になっている企業は中小企業がほとんどだが「どの企業も新事業展開に意欲的」という。半面、事業活用できる情報の収集や幅広い外部連携、連携先の技術や機器の利用、さらに新事業創出までのマネジメントなど、中小企業ならではの苦手分野がある。河村准教授は「こうした苦手分野をALLが補うことで、それぞれバラバラだった日本の技術力を広く結集し、世界へ発信するイノベーションを起こすことができる」と話す。

 ALLは「テラシテルサキハミライ」のサブタイトルを標榜しているが、今後どのような「未来」を照らしていくのか注目されそうだ。

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