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【埼玉知事選 真夏の決戦】主な候補者ルポ(上) 大野元裕氏、街頭・電話で後継アピール

 告示翌日の9日午前8時ごろ、紺のポロシャツ姿の大野元裕氏(55)はJR本庄駅前でマイクを握った。

 「上田清司知事から一番継承したいのは、県民主語の政治だ。県民のための政治を絶対に後戻りさせたくない」。約200人の支持者を前に上田県政の継承を訴えれば、「応援団長」の上田知事(71)も「大野さんは参院議員を9年務め、役所の仕組みと政治家との関係を知っている。素晴らしい大野さんをどうぞよろしくお願いします」と声をからした。

 大野氏は演説で、都営大江戸線や日暮里舎人ライナーなどを延伸し、県内に接続する「あと数マイルプロジェクト」を主張。県庁舎の建て替え問題については「もっと県民にとって必要なものがある。がんセンターや警察署の建て替えを優先すべきではないか」と問いかけると、支持者も「そうだ!」と賛同する。

 演説後、大勢の支持者と握手を交わして足早に選挙カーに乗り込み、JR深谷駅、熊谷市役所前を回った。午後1時、小川町の「道の駅」で上田知事らとともに昼食。注文した冷やしたぬきうどんを短時間で食べ終わると、寸暇を惜しんで上田氏とともに電話攻勢をかけた。

 「もしもし、お久しぶりです、上田です。今、大野さんがいまして…」

 相手は県内の議会関係者ら。携帯電話を手渡された大野氏は「お世話になっております、大野でございます」と支持を呼びかけた。

 まだ暑さの残る午後4時、東武東上線の東松山駅前に到着した。日焼けした大野氏は「白魚のようだった私の肌が、今では東松山の名物『やきとり』のタレみたいな色になってしまった」と、ご当地ネタを織り交ぜながら訴える。

 政策通だが、真面目で堅物-。陣営はそんなイメージを払拭し、親しみやすさを知ってもらおうと、会員制交流サイト(SNS)などを駆使する。ビラやポスターなどに登場するカッパの「もっちゃん」を起用したのも、親近感を持ってもらうためだ。

 もっちゃんは、川口市長を務めた祖父の元美(もとよし)氏が47年前、知事選に出馬した際に誕生したマスコットキャラクター。リニューアルを重ねて現在3代目で、頭の「皿」部分は埼玉県の形をあしらった。これまで「カッパ」などと呼ばれ、決まった愛称はなかったが、大野氏の名前にちなんで今回「もっちゃん」とネーミング。選対幹部は「街頭で政策を訴えるとともに、キャラクターも前面に押し出し総力戦だ」と意気込む。

 各地で猛暑日が観測されたこの日、大野氏に手応えを聞いてみると、白い歯を見せながらこう語った。

 「県民に自分の政策を直接伝えられる機会はなかなかない。本当に充実した一日だった」(竹之内秀介)

                   ◇

 25日投開票の知事選。各地を駆け回る主な候補者を追った。

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