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【かながわ元気企業】(1)和菓子の製造・販売「菓子匠 末広庵」

 これらの商品のアイデアを出しているのが三藤(みとう)哲也社長(63)だ。東京理科大学理学部化学科を卒業後、「マルセイバターサンド」などで知られる北海道帯広市の菓子舗「六花亭」で約3年間、修業。父が川崎市内で創業した同社に、昭和57年に入社した。

◆本物へのこだわり

 和菓子づくりに生かされているのは、三藤社長の「理系」の知識と、六花亭で培った菓子作りの精神だ。「当時の六花亭社長の考え方に感銘を受け、一生の仕事にふさわしい仕事だと直感した」という。商品開発では三藤社長の“実験好き”が発揮され、「これを混ぜ合わせるとどんな味になるか」「うま味の成分を引き出すには…」など、日々試行錯誤のなかで商品開発に勤しんでいるという。

 適正価格追求の理念も六花亭で培われた。「近隣の家庭で、おやつとして毎日楽しんでもらうには、絶対に手頃な価格でなくてはいけない」という気概で取り組んでいる。

 「本物の食材」へのこだわりも尽きない。例えば、調味に使うレモン果汁は有名産地の広島県・瀬戸田町産。みりんは岐阜県の白扇酒造、和三盆(砂糖)は徳島県の岡田製糖所で作られた「潮風の塩分を微妙に含むもの」など、産地を厳選。使用頻度の高い「あん」の原料の小豆は、北海道・十勝産の「えりも小豆」というブランドだ。

◆「地域に根ざす」

 ただ、「本物の食材」の使用はときに、適正価格追求の理念と相反する。小豆をはじめとする近年の原材料費高騰は「技術力や製造工程の工夫など、企業努力でなんとかカバーし続けている」と困り顔だ。

 同社の看板商品「惣之助の詩」は平成16年、川崎市制80周年を記念して、市との協業で開発した。明治期の同市出身の作詞家・佐藤惣之助にちなんだ和菓子だ。ミルクあんのやさしい甘さとなめらかな舌触りが人気を呼び、発売から約15年を経たいまは看板商品として成長を遂げている。

 三藤社長は地域に根ざす企業としての自覚を強く抱いている。人口増が続く川崎市について、「ほとんどが他地域からの流入」と指摘した上で、「(同社が)古くからあることを知らない人が多い」と話す。

 「100年先も地元に深く根付いている企業にしたい。川崎に末広庵があることを、他地域の人がうらやむような『街のお菓子屋さん』であり続けたい」と目を輝かせている。(外崎晃彦)

■スエヒロ

 ▽所在地=川崎市川崎区東田町3の16(044・233・4658)

 ▽創業=昭和27年

 ▽設立=昭和29年

 ▽資本金=2400万円

 ▽従業員数=約30人(令和元年7月現在、パート含む)

 ▽店舗=川崎市内、横浜市内、東京都内に「菓子匠 末広庵」計7店舗

 ▽事業内容=和菓子の製造・販売

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