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福島第1原発 排気筒解体工事、試練続く 相次ぐ装置故障・猛暑・台風…

 今月1日に始まった東京電力福島第1原発(大熊町、双葉町)1、2号機の共用排気筒(高さ約120メートル)の解体工事が、相次ぐ装置の不具合や作業員の熱中症などで難航している。2日に予定していた排気筒本体の1回目の切断作業は、装置の不具合などから19日以降にずれこんだ。東電では今年度中に解体工事を終了したい方針だが、着手した早々から試練が続いている。(芹沢伸生)

 排気筒は事故発生の際、原子炉格納容器の圧力を下げるため、放射性物質を含んだ蒸気を放出する「ベント」に使われ、今でも筒身下部は放射線量が高い。鉄骨部分に一部破断があることなどから、東電ではリスクを減らすため、上半分の約60メートルの解体を決めた。

 ◆始業前は「異常なし」

 作業には今回の工事用に開発した遠隔解体装置が使われている。クレーンでつり上げられた解体装置に取り付けた筒身解体ツールを、直径3メートルの排気筒最上部から筒身の中に入れ、鉄製で厚さ9ミリの筒身を内側からカット。2~4メートルの幅で“輪切り”にしていくという作業だ。

 取り壊す予定の60メートル以上の筒身部分は内側でも放射線量は低いといい、筒身周囲の鉄塔などは、装置に取り付けたアームロボットのカッターで切断するなどして撤去するという。機械は「遠隔操作室」と呼ばれるバスの中から操作する。

 激しい暑さに見舞われた初日の1日は早朝の始業前点検で異常はなかったが、解体装置をつり上げる途中に一部の機器が動かせなくなった。コネクターの接続不良が原因とみられるが、この影響で作業は7時間遅れた。翌2日も猛暑が続き、今度は作業員2人が熱中症の症状を訴えるなどして作業は中止に。土・日を挟んで5日に再開し、6日までに筒身周囲の電線管などを撤去した。

 ◆負荷かかり過ぎ

 7日になって筒身切断に着手したが、解体装置の刃の摩耗が早いことが判明。刃を交換すると、装置も動かなくなるトラブルに見舞われた。筒身の溶接部分が予想以上に硬く、装置に負荷がかかり過ぎたことが原因とみられる。9日は台風10号対策で作業は中止に。東電ではお盆休み明けの今月19日以降に作業を再開するとしている。

 当初、解体工事は今年5月から開始する予定だったが、クレーンの高さが3メートル足りないことが判明。アームを急な角度にして高さを確保するため、クレーンを排気筒に7メートル近付ける路盤整備などを行ったこともあり、計画から2カ月以上遅れてのスタートだった。東電では今年度中に解体工事を終了したい方針だが、前途多難の船出となった。

                   ◇

 ■共用排気筒の解体工事の経過

 8月1日 解体装置をつり上げる途中で一部機器に不具合

   2日 作業員2人が熱中症の症状

   5日 作業再開

   6日 筒身周囲の電線管など撤去

   7日 解体装置の刃の摩耗が激しく、装置にも不具合

   9日 台風10号対策で作業中止

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