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【かながわ美の手帖】川崎市市民ミュージアム「妖怪/ヒト ファンタジーからリアルへ」展

 これにNHKが目を付け、29年2月からほぼ毎日、午後7時台に「連続漫画」という1分間の番組にして2年半にわたり放送。紙芝居のように1分間に4枚(4コマ)を1枚ずつ流した。

 入局したてだった作家の辻真先(87)が当時、制作を担当していたという。草創期のテレビは当時、まさに「電気紙芝居」と揶揄(やゆ)されたが、この「連続漫画」には、アニメーションへと進化していく萌芽(ほうが)が秘められていたようにも思う。

◆百鬼夜行

 江戸時代中頃、出版文化が花開いた。鳥山石燕(せきえん)「画図百鬼夜行(やぎょう)」などの版本が刊行され、妖怪の姿を定型化。今日の「妖怪図鑑」と同じく妖怪がキャラクターとして娯楽となる。怖いが面白い、という感覚だ。

 展示はさらに地獄巡り、風刺とパロディー、人に化け、人を化かすキツネ、死者としての幽霊へと進む。

 歌川国芳の錦絵「源頼光公館土蜘蛛作妖怪図」は頼光の土蜘蛛退治。頭上の妖怪は天保の改革で犠牲になった町人たちになぞらえ、同じく「化物忠臣蔵」は赤穂浪士討ち入りに見立てた判じ物だ。

 「人間世界の出来事を妖怪に当て込めて風刺、パロディーにする。キャラクターとして成り立っていたから可能となった」と古家。月岡芳年(よしとし)「新形三十六怪撰 葛の葉きつね童子にわかるるの図」は、化けたキツネの輪郭が障子に浮かび上がる。すがる童子が、後に陰陽師(おんみょうじ)、安倍晴明となる。

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