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【しずおか・このひと】「アトリエす」代表・鈴木啓子さん 地場工芸品にミラノでの知見生かす

 「ミラノは世界のデザインの発信地で、デザイナーやファッション関係者、編集者などが星の数ほどいます。私は、前衛的な事務所に所属し、一見、普通なものにデザインを加えて楽しいものにするといったように、幅広く斬新なデザインの仕事に携わりました。デザインのアプローチに関し、日本はビジネスライクなのに対し、ミラノでは人間的なスタンスなのも魅力に映りましたし、経験を積むことができました」

 --ミラノでは、日本の伝統産業の普及事業に注力された

 「福井県鯖江市がミラノに出張所を設けた時期があり、私自身も、越前漆器などを欧州に広げようと商品を持ってイタリア中のショップなどを回りました。イタリアの方々は、実際に持って、触ることで、漆工芸の良さを分かっていただきました。中には、実現はしなかったものの、ある有名ブランドから商品のコラボレーションの話が来るなどの経験もしました。相手国の生活スタイルに合わせ、ギャップを埋めることで、日本の伝統工芸は世界でもいける、と感触を得ました」

 --静岡市文化・クリエイティブ産業振興センター(CCC)ではプログラム・ディレクターを務め、企業とクリエーターの橋渡しなどにも取り組む

 「先ごろ、県内のクリエーターとものづくり企業による展示会を企画しましたが、こうした相乗効果を生み出す取り組みはどんどん関わっていきたいです。“クリエーティブ”により静岡経済を活性化するということをCCCとしてもっとやっていく必要があると思います」

 --静岡の工芸などの魅力は

 「徳川家康が全国から伝統工芸を集めた名残もあり、静岡には多様性を持った文化がある。工芸品では例えば、細い竹の丸ひごを差して組み立てる『駿河竹千筋細工』などはまさに静岡ならではです。ただ、せっかくこうした魅力があるのに、外部への発信が弱いのではないかと思っています」

 --今後はどのような取り組みをしたいか

 「従来通り、メーカーからの依頼を受けて施すデザインの世界に加え、自らのブランドを作りたいと思っています。静岡の地域資源を生かした作品などにさらに磨きをかけ、来年開催のミラノでのデザイン見本市などに出品できたらと考えています」

【プロフィル】鈴木啓子

 すずき・けいこ ICSカレッジオブアーツインテリアデザイン科を卒業後、昭和59年から阿部紘三デザイン事務所で勤務。62年にイタリアに渡り、ミラノのデザイン事務所でキャリアを重ね、日本設計(東京)インテリア設計部勤務を経て、再びミラノでフリーランスとして、デザインや日本の伝統産業普及事業などに従事。平成16年に帰国し、17年から現職。国際陶磁器コンペティション美濃・銀賞や、日本国際家具デザインコンペティション準グランプリなどの受賞歴を持つ。静岡市出身。

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