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佐野の郷土史家・京谷さんの遺作出版 遺族「研究の一助に」

 佐野市の郷土史家で、昨年秋に85歳で他界した京谷博次(きょうや・ひろじ)さんの遺作「資料集 追憶 下野国安蘇郡の水車」(A4判、159ページ)が、遺族によって出版された。生前、調査した江戸時代以降の水車に関連する古文書類90点を紹介。遺族は「郷土史研究の一助にしてもらえれば」と市内外の図書館などに寄贈している。 (川岸等)

 京谷さんは農業の傍ら郷土史の調査研究に打ち込み、佐野市史をはじめ旧田沼、藤岡、西方町の各町史編纂(へんさん)を手掛け、県文書館古文書専門員も務めた。市民団体「安蘇史談会」も立ち上げ、30年以上、会長職として郷土史研究の先頭に立ってきた。「ふるさと再見」「わが町さんぽ」などの著書もある。

 「足で稼ぐ」がモットーで、長女の日本語教師、美代子さん(59)は「自分の目で確かめ、調べなくてはならないと、調査研究に明け暮れていた」と振り返る。また長男の公務員、昭さん(58)は「夜遅くまで書斎にこもり、調べ物をしたり、書き物をしたりしていた」と話す。

 晩年まで精力的に活動していたが、昨年、体調を崩し、入退院を繰り返した末、11月に他界。死期を悟っていた京谷さんは「最後の調査報告も郷土の水車で締めたい」と、美代子さんに遺作の出版を委ねた。最初の調査報告書が水車で思い入れが特に強かったという。

 遺作の序章で京谷さんは「安蘇郡に米の水車が出現したのは江戸時代中期と思われる」と記し、旧家宅で確認した古文書類90点について水車新設、水車賃借などに分類し、解説を加え紹介している。最も古い史料は延享3(1746)年で、酒造業の男が村役人に提出した水車新設の証文。農業用水が不足し農民に迷惑が掛からないよう設置する内容になっている。

 遺族は500部を作成し、既に佐野市内の中学、高校、本県内外の図書館、博物館などにも寄贈している。

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