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路線価11年連続で下落 再開発地域は上昇、格差表面化 静岡

 国税庁が発表した令和元年の路線価(1月1日時点、1平方メートル当たり)によると、県内の標準宅地の平均変動率は前年比0・6%のマイナスとなり、11年連続で下落した。下落幅は前年の0・7%から0・1ポイント縮小した。県内の不動産鑑定士は「景気回復に伴い不動産市場が改善しつつあることが、下落幅の縮小につながったと考えられる」と話している。

 商業地・住宅地ともに、再開発事業や区画整理が順調に進んでいる地域の路線価は上昇傾向にあるものの、抜本的な対策を講じていない地域は停滞しており、地域や行政の取り組みによる格差が表面化しつつある。関係者は「行政の取り組みは重要」と指摘している。

 県内13税務署の管内別の最高路線価は、前年と同数の6地点(磐田、静岡、浜松西、浜松東、熱海、三島)で上昇した。下落したのは前年と同数の2地点(島田、掛川)で、5地点(清水、沼津、富士、藤枝、下田)が横ばいだった。

 磐田と三島は横ばいから上昇に転じており、中でも磐田税務署管内の磐田駅前付近は、変動率の伸びが県内最大で唯一5%の大台に乗った。区画整理事業が完了しにぎわいが増したことで、不動産価格が上向いている。三島税務署管内の三島駅南口前付近は、ホテルや大型マンション建設を含む大規模な再開発事業が形になりつつあることが、路線価の上昇につながった。

 隣の沼津税務署管内の沼津駅前周辺も、8年ぶりに下落から脱した。駅の高架化事業が頓挫していることはマイナス要因だが、今秋の大型商業施設「ららぽーと沼津」の開業がブランドイメージの向上に結びついた。

 一方で、7年連続で下落した島田税務署管内の島田駅前付近は、駅前商店街が人を呼び込めず、少し離れた大型店舗に顧客を奪われている。横ばい続きから8年ぶりに下落した掛川税務署管内の掛川駅前周辺は、断行した駅前再開発が住民のニーズとかみ合わなかった。現在は地元民間企業を巻き込んだ官民連携によるまちづくりが進んでおり、状況が好転する可能性もある。

 県内の最高路線価は、静岡市葵区紺屋町の「紺屋町名店街呉服町通り」の120万円だった。40年連続の県内最高路線価で、価格は6年連続で前年を上回った。この通りを含む静岡市、浜松両市の中心市街地は、投資用物件として首都圏の投資家の注目を集めている。加えてここ10年ほどの間にタワー型を含む大型マンションが続々と建設され、投資需要と住宅需要の増加によって不動産取引が活性化している。

 路線価は相続税や贈与税の算定基準となるもので、本県の平均変動率は県内約9千地点の標準宅地の評価基準額を基に算出した。

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