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94歳看護師、健康に感謝し津の老人ホームで入所者励ます

住宅型有料老人ホーム「いちしの里」で、入所者の女性に笑顔で話し掛ける看護師の池田きぬさん=津市
住宅型有料老人ホーム「いちしの里」で、入所者の女性に笑顔で話し掛ける看護師の池田きぬさん=津市

 周囲に田畑が広がる津市の住宅型有料老人ホーム「いちしの里」。水色のエプロンを身に着けた看護師、池田きぬさん(94)が「お元気ですか」と寝たきりの男性(94)に声を掛ける。後輩と息を合わせ、男性をあおむけから横向きにし、腰の床ずれを手際よく処置した。

 太平洋戦争中に19歳で看護要員として召集され、この道75年。胃に直接栄養を送り込む「胃ろう」や注射など通常の仕事をこなす。利用者に元気を与えながら、24時間体制で看護師が常駐する施設を支え、後輩の手本になっている。

 入所者の飯田庸子さん(83)は「いつも笑顔で仕事を楽しんでいる。私も早く元気になろうと励みになる」とほほえむ。

 最初の職場は旧日本軍が病院として使っていた神奈川県内の旅館。栄養失調や片足を失った傷病兵の治療に無我夢中で携わった。

 終戦後は故郷の三重に戻り、病院などに勤務。結婚、出産を経て看護管理者になった。還暦を過ぎても現役を続け、88歳で訪問看護師として今の職場に通い始めた。「資格のおかげで働けた。その時のありがたさが、今も看護師を続けている理由」と言う。

 当初は週3日ほどの勤務だったが、最近は日曜日のみの出勤。「若い人は休日にしっかり休み、少しでも家族と過ごしてほしい」との思いからだ。後輩が子供の体調不良で急に休めば、代わりに出勤することもある。

 体力の衰えを感じ、2年ほど前から退職届を忍ばせている。出そうとすると、偶然誰かが先に辞めてしまう。「管理職が長いと、一度に2人減るのがどれだけ大変か分かるので、出すに出せなかった」と笑う。

 休日は1人で暮らす自宅の畑で野菜を作り、昨年始めた水墨画教室に通うが、趣味の少なさが悩みだ。「“老後”の楽しみを考えつつ、健康に感謝してもう少し頑張ろうと思います」

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