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【しずおか・このひと】静岡市消防局山岳救助隊副隊長・望月将悟さん(41)

 ■山岳レースで南アルプスの魅力を発信

 昨年8月、富山県魚津市から静岡市まで日本アルプスを通り、約415キロを走る山岳レース「トランスジャパンアルプスレース」で、途中で食料などを追加しない無補給完走を果たした静岡市消防局山岳救助隊の副隊長を務める望月将悟さん(41)。常に厳しいハードルを自身に課し、目標を達成してきたが、アスリートとして記録を更新するというよりも、レースなどに参加することで出会うさまざまな人たちから得られる知見や喜びこそが大切と語る。高まった認知度を生かし、生まれ育った井川エリア、さらには南アルプスの魅力を発信したいと意気込む。(那須慎一)

 --南アルプスが国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「エコパーク」に登録され、今月で5周年を迎えたが、どのような思いか

 「大変うれしいことだと思っています。世界から認められたユネスコエコパークが静岡市にあること、そして、自然環境にいま一度目を向けるいい機会だと思っています。大災害や震災など全て自然から起こっているのではないでしょうか。これを機に自然との共存や利用などを強く望んでいます」

 --静岡で生まれ、自然の中で育ってきた

 「葵区小河内に生まれ、林業を営む両親のもと、自然に親しみながら育ちました。山で遊び、足腰が強くなったのもあるかもしれませんが、小、中学校のマラソン大会ではいつも1位を取っていました。高校では一時、運動から離れてしまったのですが、就職を考えたときに、人のために役立ちたいのと、体を使う仕事がしたいとの思いで、消防士としての生活が始まりました」

 「負けず嫌いの性格もありますが、厳しくも憧れる先輩たちに少しでも早く追いつき、追い越したいとの思いから、仲間に内緒で、休みを返上し、近くの竜爪山(りゅうそうざん)に登ったり、マラソンをしたりして体を作っていきました」

 --鍛えてきた成果が過酷なレースでの好結果につながったと

 「平成15年に清水市と静岡市が合併し、静岡市消防局の山岳救助隊に移ることができました。仕事に精力的に取り組みつつ、マラソンや静岡国体の団体競技など多くの大会に参加してきました。中でも、東京マラソンで、40ポンド(約18キロ)の重りを背負いながら3時間6分16秒で完走し、ギネス世界記録を達成した時は、多くの注目を集めました」

 --トランスジャパンアルプスレースには22年から参加している

 「初参加では、5日と5時間22分で完走し、大会記録を更新し優勝できました。このレースは、誰からも食料などの援助やサポートを受けてはいけず、山小屋に泊まってはいけない、といった厳しいルールがありますが、だからこそ、沿道の方などから温かい声援を頂くことが大きな励みとなり、後押ししてくれます」

 「極限の状態でどこまでできるのかを知ることで、消防の仕事にも役立つし、限界の先に何かが見えるのではないか、との思いで臨みました。チャレンジにより、人生の先輩を含め、多くの方との輪を広げることができました」

 --自身の行動を次世代の子供たちにも見せていきたい

 「レースを見てくれたり、その後の講演会などで話を聞いてくれた子供たちからは私自身がパワーをもらっています。私の姿を見て、子供たちも一歩踏み出してみて、やりたいことをやってみれば楽しみが見つかるよ、ということを伝えていきたいです」

 --今後はどのような取り組みを

 「井川や南アルプスの素晴らしい自然や、地場の食べ物などを一人でも多くの皆さんに知っていただけるような取り組みをしていきたいです。また、山岳救助隊員の一人として、アルプスの登山道の把握や体を鍛えるなどで、遭難事案などがあった場合に、すぐに救助にあたれるようにしていきたいです」

 --レースへの参加予定などは

 「欧州のアルプスなど、海外で行われる大会に参加し、多くの人たちと出会えたらと思っています。その際、海外の山や森林の状況もつぶさに観察し、さまざまな思いを持ち帰った上で、自分たちに身近な南アルプスの素晴らしさを発信していきたいですね」

                   ◇

【プロフィル】望月将悟

 もちづき・しょうご 昭和52年9月13日生まれ。県内の高校を卒業後、平成9年、清水市消防本部(現・静岡市消防局)に入局。陸上救助隊や水難救助を経験し、24年、千代田消防署しずはた出張所(静岡市葵区)開設に伴い山岳救助隊に配属。山岳救助隊員歴は17年に及ぶ。妻・娘2人の4人家族。静岡市葵区小河内出身。

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