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JR九州、1週間後に株主総会 青柳社長インタビュー「鉄道会社として成長へ投資」 米ファンド提案に反対

インタビューに応じるJR九州の青柳俊彦社長
インタビューに応じるJR九州の青柳俊彦社長

 JR九州の青柳俊彦社長は、株主総会を1週間後に控えた14日、産経新聞の取材に応じた。大株主の米投資ファンド、ファーツリー・パートナーズが提案する自社株買いについて「今は成長投資を行う時期だ」と反対理由を説明し、企業活動への理解を求めた。総会での採決の見通しは「現時点では何ともいえない」と、危機感を示した。 (九州総局 高瀬真由子)

 --ファーツリー社をはじめ、株主にどう対応してきたか

 上場前から、国内外の投資家に説明会を開いてきた。ファーツリー社とも、複数回面談をした。理解を深める努力はやってきた。

 だが、ファーツリー側は、JR九州を不動産会社の視点でみている。

 わが社は基本的には鉄道会社だ。鉄道と不動産のバランスを取りながら、成長してきた。そう説明し、災害からの復旧事業なども伝えた。

 だが、ファーツリー社から鉄道には質問がなく、議論は不動産に集中した。鉄道には、関心を持っていないようだ。

 --自社株買いに反対する理由は

 必要に応じてやるべきだと思っている。ただ、今は中期経営計画で示した通り、鉄道への投資が必要だ。鉄道以外の事業でも、成長への投資をする時期で、そちらを優先したい。

 株主には、長期安定的な配当という観点で対応している。その上で、想定以上に利益がでれば、自社株買いに回すことは考えている。

 --監督機能の強化など経営体制の見直しや、役員の株式報酬制度も求められている

 昨年、監査等委員会設置会社に移行し、それなりに機能している。(提案された)指名委員会等設置会社も、一つの手法としてあるが、移行した会社がすべてうまくいっているわけではない。形ではなく、運用が大事だ。

 株式報酬制度にも反対する。わが社は、業績に対する評価をポイント化し、報酬と連動させる制度を(8月に)導入するからだ。

 ファーツリー社は株式報酬の対象を取締役全員とする。わが社が導入する制度では、社外を除く取締役と上席執行役員が対象だ。執行側に株主の目線を持たせる点では、わが社の提案の方が、より明確な制度だ。

 --ファーツリー社の提案に、米国の議決権行使助言会社が支持を表明した

 どういった事業環境で鉄道を運営しているかなど、JR九州という会社を理解してくれているのか、分からない。バランスシートの数字だけで、判断されているのではないか。

 --株主総会での採決の見通しは

 多くの株主への理解は広がっていると思うが、今の時点では何ともいえない。ファーツリー社と同じ考えの株主もいるだろう。議決権の行使率が低ければ、状況は厳しくなる。番狂わせも起こりうる。多くの人に議決権を行使してほしい。

 --海外の投資家はファーツリー支持が多いか

 そんなことはない。わが社に対する理解がどこまで進んでいるかによる。

 --西日本鉄道の倉富純男社長が「株主は、企業価値の源泉を理解してほしい」と語った

 倉富社長のご意見には、涙が出た。同業として、同じ苦労をされているからこその言葉だと思った。

 --今回の件で、企業は誰のためにあるべきかを突きつけられている

 上場した以上、株主と意見の相違は出てくる。それに対し、会社の考えを説明し、目指す将来像を共有しないといけない。その上で、株主からの提案は参考にしながらやっていく。

 今回の件は企業買収ではなく、財務政策の違いを株主の評決で決めようということだ。多数決に従ってやっていくのが私の責任だ。

 --JR九州の目指す会社像は

 九州を元気にしていくという思いで、できることをやっていく。

 30年前、JR九州が発足したとき、国鉄の余剰人員の受け入れで、地域の企業に本当にお世話になった。赤字会社としてのスタートで、地元と連携して地域おこしをした。だからこそ、ここまで成長できた。

 将来を考えるときも、九州の方と一緒に取り組み、恩返しのつもりでやっていく。株主との意見交換の中で、鉄道事業の収支を改善する努力も、これまで以上にやらないといけないと再認識した。

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