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岩手・宮城内陸地震から11年 「会いたい気持ち、変わらない」

 死者、行方不明者23人を出した岩手・宮城内陸地震は14日、発生から11年を迎えた。人的被害が大きかった宮城県栗原市では、発生時間の午前8時43分に防災行政無線のサイレンが鳴らされた。同市の「駒の湯温泉」近くの慰霊碑では、遺族らが黙祷(もくとう)をささげ、「今でも会いたい気持ちは変わらない」と亡き人に思いをはせた。

 岩手・宮城内陸地震で同市では、死者13人、行方不明者6人(同市発表)と最も大きな人的被害が出た。約400年前に温泉旅館として開湯した駒の湯温泉は地震で発生した土石流に襲われ、従業員と客を含む7人が犠牲になった。

 平成27年、日帰り温泉として再開。同年には周辺一帯が自然と人間との関わりなどを学べる「栗駒山麓ジオパーク」に認定され、今年に入り拠点となるビジターセンターも完成した。市内外の団体で構成される「ジオパーク推進協議会」は、駒の湯温泉周辺にも地震の被害を伝える看板を設置するなどして伝承活動に取り組んでいる。

 駒の湯温泉の主人で、自身も母と兄を失った菅原昭夫さん(63)は、集まった遺族らに「震災当初より周囲に緑も増え、何とかここに戻って生活できるようになった。いろいろ考えたが、温泉を続けると決心できたことに感謝している」と語りかけ、「亡くなった方が安らかなることを祈っている」と話した。

 従業員だった高橋恵子さん=当時(55)=の長女、菅原恵美さん(42)は、慰霊碑のそばに恵子さんが好きだったというカラーの花を供えた。「やさしい母で、『きょうだいみたいだね』とよく言われた。11年たった今でも、会いたい気持ちは変わらない」と涙を浮かべ、「今でも災害が多いが、こういう被害があったことを忘れないでほしい」と語った。

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【用語解説】岩手・宮城内陸地震

 平成20年6月14日、岩手県南部を震源地として発生したマグニチュード(M)7.2の直下型地震。岩手県奥州市と宮城県栗原市で最大震度6強を観測し、土石流などで死者17人、行方不明者6人、負傷者426人を出した。

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