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【かながわ美の手帖】横浜本牧絵画館「トロンプルイユの現在 2019」展

 確かに、光線の具合や計算し尽くした遠近法などの表現技法がさえる岩田の「マヌカン(トロンプルイユ)」ほか、どの展示作品も、触ればそこにあり、こちらの世界と「つながっている」かのように見える。

◆先駆者に続け

 岩田は1963(昭和38)年ごろにパリで写実派リーダーのアンリ・カディユと知り合ったのを契機に、写実的な細密画の追求を画業の柱に据えた。

 岩田のめいで同館理事長の武田春子は「のみの市で好きな古いオブジェを買い集め、組み合わせて描いている。『マヌカン』の2枚の楽譜はモーツァルトの曲かもしれない。岩田と誕生日が同じだった」と話す。

 「赤いカーテン(トロンプルイユ)」は岩田が初めて手がけたトロンプルイユ作品。本の背表紙に「E・IWATA」とある。岩田作品に限らず、画家のサイン探しも本展の楽しみだ。

 城戸義郎は経歴が岩田とよく似ている。「天球儀(トロンプルイユ)」ではガラス球に映り込んだ自身の姿を自画像のように描いているようにも見える。

 後続する3人の作品にはそれぞれのこだわりと特徴が表れている。

 池田誠史は本物のオブジェを原寸大で描く。「フェルメールを想う」では、画集の中から名画3点と英文解説。トロンプルイユを手がける画家にとってフェルメール作品は、50年代から傾倒していた岩田のように、いつも憧れの対象だ。

 鳥越一穂は堅牢(けんろう)で長持ちのする銅板に描いている。どこまでが絵で、どこからが額なのか判別できないほどの仕上がり。

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